なぜ日本だけが囚われる「PCR検査抑制デマ」が生まれたのか? その根源に迫る

South Korea Enhances Quarantine Measures Amid Spiking Virus Cases

韓国が検査をしっかりやり国際的に模範的な対応とされたことも、一部の人間たちにとって「検査抑制論」を拡散させる要因となった(photo by SeongJoon Cho/Bloomberg via Getty Images)

第一次第二波パンデミックは検査抑制政策で引き起こされた

 前回までに3回(123)に渡って6月冒頭時点での日本の現状、合衆国の6月末時点でのウィルスへの敗北そして合衆国に一月遅れてウィルスとの闘いに惨敗の瀬戸際にある本邦についてその実態を統計で示しました。  本邦は、まだ巻き返しの可能性がありますが、合衆国とおなじ政府中枢のリーダーシップ不在反科学バイアスに汚染された中央政府と地方行政府という深刻な手枷足枷に縛られており、合衆国の二の舞、いや実力の欠如から来るパンデミックへの対応能力の欠如も加わり、先の見通しはかなり暗いです。このままでは、筆者が2月末から指摘しつつけてきた「謎々効果」*以外は丸裸の処置無しになりそうです。 〈*中国、モンゴル、カンボジア以東の東アジア、東南アジア、大洋州では、SARS-CoV-2(新型コロナウィルス)によるパンデミックが地球上の他地域と比して、感染者数、重症者数、死者数などで1/100程度の脅威で済んでいる。筆者は2月末から、海外メディアも3月半ばからそのことを指摘してきた。第一次第一波パンデミックが収束し始めた4月末から5月にかけて、この東部アジアと大洋州では理由こそ分からないが、新型コロナウィルスによるパンデミックの威力が特異的に弱いことが概ね合意されている。筆者はこれを3月から「謎々効果」と称しているが、報道によっては”Factor X”という呼称も現れている〉
東部アジア・大洋州を守る謎々効果(百万人あたり死亡率)

東部アジア・大洋州を守る謎々効果(百万人あたり死亡率)
100万人あたり死亡率は、英国700人、イタリア600人、合衆国400人であるが、日本は8名である。韓国は最初期の対応手間取りで6名であるが韓国に学んだ東アジア・大洋州諸国は0〜4人程度と目立って死亡率が低い。これが謎々効果(Factor X)として全世界の注目を集めている。
Our World in DATAより

 とくに本邦では、世界でも唯一と言って良いほどの国策による徹底した検査抑制が行われており、これは現在本邦を襲っている第一次第二波*パンデミックの主因です。検査を抑制すれば、それだけ未発見感染者が増え、感染が拡大していきます。歴史的にも本邦に特徴的な医療ネグレクトによって市中に放置される未把握発症者によっても感染が拡大して行きそれらは未発見クラスタとなって成長し、飛び火して行きます。砂の中に頭を突っ込んで(Ostrich Head in Sand)感染症を見なければ安心というのが本邦のCOVID-19対応に特徴的な検査抑制ですが、ウィルスは、砂の中に頭を突っ込んでいる間に市中に飛び火し、燎原の火の如く広がり、ある時点から全国で次々に感染爆発をします。それが今日、本邦を覆っている第一次第二波パンデミックといえます。これは完全に人災であり、行政災害です。 〈*僅か3年間で5千万人から1億人が犠牲となった1918イフルエンザパンデミック(スペインかぜ)などの教訓から、COVID-19パンデミックは、2019年12月からの「第一波」のあと、2020年10月からの「第二波」が襲来することは確実視されており、この「第二波」が最大の桁違いな犠牲を出すと考えられている(参照:CDC)。その後2021年冬の「第三波」までにパンデミックをワクチン等によって終息させることが最も楽観的な実現し得る見通しであり、合衆国のワクチン迅速開発事業、Operation Warp Speed もそれに準じたスケジュールである。従って東京オリンピックを2021年7月へ延期としたのは、決定的な失敗である。しかし、2019年12月からのパンデミックが収束する前にそのSpike(棘)やSurge(うねり、波)のことを第二波、第三波と呼称することが世界的に定着してしまい、今後の呼称に大きな混乱を生じている。 筆者は、暫定的に2019年12月からのパンデミックを第一次パンデミック、2020年10月からのパンデミックを第二次パンデミックとし、それぞれの中のSpikeやSurgeを第一波、第二波と言い分けている〉

コロナ大失敗国ジャパンオリジナル、検査抑制政策に蔓延るエセ医療デマゴギー

 感染症対策においては、個人の救命と集団の防衛のためは、WHOのテドロス・アダノム事務局長やらアメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長、アンソニー・ファウチ博士らが常に指摘するように”TEST, TEST, TEST, TEST, TEST, Check, Trace and Quarantine”が必須です。彼らが何度も繰り返すように検査を徹底して行うことが日本を除く世界の鉄則です。検査を国策として抑制する国は地球上で日本くらいのもので、結果としてジャパンオリジナルの大失敗をしています。  ところが、いまだに「PCR検査をすれば患者が増える」「PCR検査をすれば医療崩壊する」「PCR検査は人権侵害」といったジャパンオリジナルのドグマ(教義)が日本を席巻しています。しかも恐るべきことに感染症専門医、感染症学者がその旗振りをし、膨大な人数の医師、医学研究者、医師会などの医療団体、医療メディア、医療行政組織がこのジャパンオリジナルのドグマを声高に主張しています。それどころか一部不心得者の啓蒙医師が、市民に対して「陽性者は90%擬陽性、九割の人は病気でもないのに隔離病棟に放り込まれるぞ」と脅迫を始める始末です。
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世界標準は「PCR検査の充実」しかない
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