この年末年始、約1200人の統一教会(世界平和統一家庭連合)の大学生信者が渡韓し”強制徴用被害者”と“慰安婦”へ直接謝罪、少女像が設置された旧日本大使館前で日本政府・安倍政権に過去の歴史への謝罪を要求する会見を開いた。
多くの韓国メディアが日本の大学生による「謝罪」と「謝罪要求」を報じた。この大学生たちは統一教会系の世界平和青年学生連合(YSP)のメンバーで、一連の謝罪行脚は教団の2世信者特別修練会の”企画”として行われたもの。YSPが安倍政権批判を行う一方で、同じく教団が大学生2世信者に行わせている勝共UNITEは「安倍政権支持」を掲げて活動しており、教団内での相反する構図が浮き彫りとなった。そこで、これまでUNITEやYSPのイベントで講演した保守系の政治家や論客に見解を尋ねた。
昨年末に日本から動員され韓国へ渡った1,150人の大学生2世信者は韓国で2世大学生150人と合流、12月31日と1月2日に謝罪行脚を行った。
この「日本の大学生による謝罪と日本政府への謝罪要求」は韓国国内で大きく報じられた。公共放送局KBSなど韓国主要メディアの報道記事のタイトルを紹介しよう。
●
『「謝罪します」日本の大学生1200人、慰安婦・強制徴用被害者に謝罪訪韓』(KBS)
●
『少女像抱いた日本の大学生1150人、「日本は過去の歴史を認めなければならない」』(MBN)
●
『「新しい平和作成」日本青年1200人、日本の過去史謝罪」(MBC)
●
『日本の大学生1150人、少女像抱き「安倍、過去の謝罪が必要」』(毎日経済)
●
『韓国を訪れた日本の大学生、安倍政府に過去の歴史の謝罪を要求」(聯合ニュース)
謝罪行脚の“旅程”を韓国での報道からまとめた。
・12月31日
京畿道広州市の慰安婦歴史館「ナヌムの家」を訪問し同館で共同生活を送る元慰安婦”ハルモニ”に直接謝罪。
・1月2日
ソウル龍山区白凡記念館で「韓日青年と日本統治時代の被害者たちとの出会い」イベントを開き、強制徴用の被害者に直接謝罪。
日本統治時代に抗日運動家が収監されたソウルの西大門刑務所歴史館を見学し“痛切で恥ずかしい過去を反省”、抗日運動烈士追悼碑に献花。
ソウル鍾路区、旧日本大使館前に設置された“日本軍性奴隷制被害者の象徴”である少女像に献花し抱擁。少女像の脇で会見を開き、元徴用工と元慰安婦に謝罪した上で日本政府・安倍政権に過去の歴史への謝罪を要求。(参照:「
MBC」)
一連の謝罪行脚を“用意”した
世界平和青年学生連合は統一教会の摂理機関、つまり教団の教えを広めるためのフロント組織だ。2017年に世界平和青年連合(YFWP)から名称変更しており、日本の会長は2013年6月から19年10月まで教団幹部の松田幸士氏が務めていた(現在、松田氏はYSP世界会長)。