「統一教会」のダブスタについて、教団と近い政治家や論客の見解を聞いてみた<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第26回>

「そんなバカなこと」呆れる前環境大臣

 保守系著名人の中で回答があったのはまず吉木誉絵事務所。1月14日の回答。 「吉木はこれまでに、言論の自由を重んじる立場から、自身の考えと一致するか否かに関わらず、反社会的組織を除く様々な団体が主催する講演会に講師等として参加させていただいております。講演を主催する団体組織の思想、個別の活動内容については関知するものではなく、ご質問のいただいた点についてお答えするような立場にございません」  西川京子学長からは1月15日、九州国際大学を通して「西川学長の意向により、コメントは差し控えさせていただきます」と回答があった。  その他の著名人からは期限までに回答が得られなかったため、統一教会やその関連団体について昨年10月「ちゃんとした組織としてちゃんとした活動をやっている」と筆者の取材に答えていた原田義昭前環境大臣に電話をかけて訊いてみた。  慰安婦などの歴史認識問題で韓国サイドへの強気の発言で知られる原田議員は統一教会が2世信者に行わせた韓国謝罪行脚と日本政府・安倍政権への謝罪要求について「初めて聞きました、そんなバカなこと」と呆れたものの、教団のダブルスタンダードについては「一つの組織が一つのことを主張しながら政権と意見を違うことも出てきたってそんなことは当たり前のこと」と答えた。  統一教会の“二枚舌”は今回に限ったことではないが、韓国での報道が日本に飛び火しかねないと、教団サイドが火消しに必死なことだけは確かなようだ。(文中一部敬称略) <取材・文/鈴木エイト(ジャーナリスト)>
すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教カルトと政治というテーマのほかにカルトの2世問題や反ワクチン問題を取材しイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)、『日本を壊した安倍政権』(扶桑社)
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