柳本議員が出席した『韓・日 国会議員外交懸案特別懇談会』(左)、韓鶴子の隣で億万歳をする同議員(右)(PeaceTVより)
悪化するばかりで修復の兆しが見えない日韓関係。そんな折、参院選の投開票日に韓国へ赴き、統一教会(世界平和統一家庭連合)が開いた「韓日国会議員外交懸案懇談会」に日本の国会議員を代表して出席したばかりか、教団イベントで韓鶴子総裁に侍り億万歳(オンマンセー)を行った参議院議員がいる。
その議員は任期限りでの政界引退を表明していた参議院憲法審査会前会長・柳本卓治(自民党・大阪)。任期を7月28日まで残し、参院選の投開票日である7月21日の時点で国会議員だった柳本は日韓関係が悪化する中、抗日運動の烈士と崇められる柳寛順の名を冠した柳寛順体育館(韓国・天安市)で開かれた統一教会の式典『2019忠清圏 孝情、真の家庭希望フェスティバル』に来賓出席。日本の国会議員を代表してスピーチした他、教団の最高権力者である韓鶴子総裁とともに億万歳(オンマンセー)を行った。柳本は同日、教団が主催した『韓・日国会議員 外交懸案 特別懇談会』に国際勝共連合の梶栗正義会長と出席、記者会見を行った。
日本の国会議員を代表してスピーチ(左)、勝共連合会長の隣りで式典に来賓出席(右) (PeaceTVより)
政界を引退した柳本卓治。その政治キャリアは、やはり
統一教会と近しい関係にあった中曽根康弘元首相の秘書から始まっている。
中曽根康弘は1992年に特例措置で入国した
文鮮明教祖と会談。桜田淳子が参加し世間を賑わせた同年の
合同結婚式に祝辞を贈り、以降も教団イベントに継続して来賓出席するなど統一教会とは昵懇関係にある。その中曽根の秘書を務めていたのが柳本だ。
近年発覚した柳本と統一教会との関係を列記する。
・2013年10月、さいたまスーパーアリーナでの2万人信者集会及び韓鶴子講演会『統一教会日本宣教55周年、日本教会創立54周年記念大会』で中川雅治(自民党・前環境大臣)と共に来賓祝辞。同集会に祝電を贈った中曽根康弘の元秘書と紹介され大喝采を浴びる。
・2015年2月、『天一国基元節2周年記念行事』の一環として韓国の国会憲政記念館大講堂で開かれた教団の2世・CARPイベント『韓日青年大学生平和シンポジウム及び姉妹結縁式』に来賓出席。祝辞で早稲田大在学時からCARP(原理研究会)と交流があったと明言、韓国との交流の必要性を強調し「日韓トンネルを完成させ大阪まで繋げ、いずれはヨーロッパまで伸ばしたい」とスピーチ。
・2017年2月、世界平和国会議員連合の韓国総会で山本朋広や武田良太とともに韓鶴子から国家復帰指令を受ける。〈参照:
韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長|HBOL〉
・2017年11月、なみはやドームで開かれた『孝情ファミリーフェスティバルin OSAKA』に来賓出席し参議院憲法審査会会長として挨拶
「皆さま方とのご縁が一番深い関係」「国会議員の中でも10数度以上総裁様とお話しをさせてご挨拶をさせていただくのはわたくし以上の方は他に見当たらないだろう」
・18年7月、さいたまスーパーアリーナで韓鶴子総裁を主賓に迎えて開催した大規模信者集会『日本宣教60周年2018神日本家庭連合 希望前進決意2万人大会』に5人の国会議員、工藤彰三、三ツ林裕巳、神山佐市、宮島喜文(以上、自民党)、本村賢太郎(無所属)と来賓参加。柳本は来賓代表として祝辞で「韓鶴子総裁様のお導きによって」「敬意を表するとともに喜びを分かち合いたい」「真(まこと)の父でございます文鮮明先生は私の早稲田大学の先輩でございました」などと発言〈参照:
弁護士団体の要請を無視、“反社会的”教団の式典に来賓出席する閣僚たち|HBOL〉
・2018年10月、国際勝共連合50周年大会に出席〈参照:
自民党議員、国際勝共連合50周年大会に複数名が出席。旧統一教会系政治組織と与党議員の関係|HBOL〉
・2019年5月、衆議院第二議員会館で開かれた日韓トンネル推進懇談会で日本の国会議員を代表して挨拶(2018年8月にも第一議員会館で開かれた同懇談会に出席)〈参照:
杉田水脈議員が勝共連合ダミー団体で講演も、存じ上げません|HBOL〉