柳本卓治の大阪選挙区の地盤を継ぐ予定だったのが甥の元大阪市議・柳本顕。しかし柳本顕は今年4月の大阪市長選に立候補するも落選、参院選への出馬も立ち消えた。柳本顕自身も17年4月、教団2世信者政治団体・勝共UNITEの関西支部UNITE KANSAIが大阪市淀川区民会館で開いた学習会に自民党衆議院議員・長尾たかしや谷川とむと参加するなど統一教会との関係が深い。 　柳本の大阪事務所と東京事務所に以下の項目を記載した質問書を送ったが、期限までに回答は得られなかった。 ・『2019忠清圏 孝情、真の家庭希望フェスティバル』と『韓・日国会議員外交懸案特別懇談会』に参加した経緯 ・霊感商法や偽装勧誘などの社会問題を起こし続けてきた同教団の反社会性について ・政治家として、反社会的な教団と懇意にしてきたことについての道義的責任 ・政界引退後も「元国会議員」として同教団やその関連団体との関係を続けるか 　質問項目にあるように、柳本は政界引退後も”元国会議員”として統一教会に寄与し続けるのだろうか。政界引退後に同教団へ侍る恥知らずな政治家は少なくない。 　最たる例が故ジョージ・H・W・ブッシュ元アメリカ大統領だ。政界引退後も妻バーバラ・ブッシュとともに文鮮明礼賛に勤しんだジョージ・H・W・ブッシュ。1997年9月、教団フロント組織『世界平和女性連合』の東京ドーム大会で講演したブッシュ夫妻には多額の金銭的見返りがあったと言われている。 　日本では政界引退後に教団に寄与し続ける元政治家として青山丘・元自治相が重宝されてきたが、ここ数年は大野功統・元防衛庁長官が筆頭だ。鮮鶴平和賞の選考委員や山本朋広らが参加した2017年夏の統一教会アメリカ外遊国会議員団の団長を務めた他、数多の国内外での教団イベントに参加、ことあるごとに韓国へ呼ばれ教団式典に“箔”を付けている。 　政界を引退し大野と同じ立場となった柳本、今後どちらが“起用”されるかが見ものだ。 　そして現役の国会議員としての“跡継ぎ”候補は、韓鶴子総裁を「マザームーン」と慕い、2017年2月に韓国で柳本とともに直接国家復帰指令を受けた山本朋広・自民党国防部会長あたりか。〈参照：韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長｜HBOL〉 　2013年参院選での安倍晋三首相と統一教会の繋がりを示すキーマン・北村経夫参議院議員に関し、今年の参院選でもその繋がりを示す内部文書を入手した。次稿で公開する。（文中敬称略） ＜取材・文／鈴木エイト＞