蓮池氏の生家は柏崎刈羽原子力発電所から3kmの地点にある。
「地域の人たちは非常に分断されています。分断ならまだいいんですけど、差別さえ生まれているような状況があります。原発ごときで差別が起こるなどということはあり得ない話。地域住民は内向的になっていて、元気がない」
蓮池氏は「非常に驚いた」話として、こんな体験を披露した。
「『原発について表立って話をするのはタブーですよね?」って聞いたら、『いや、マナーだよ』と言われたんです。その言葉に非常にショックを受けました。
山本氏がこれまで力を注いできた格差や貧困の問題。蓮池氏は「1億総中流」と謳われた時代を生きた。「上級国民」という言葉まで使われるようになっている現状への疑念が拭えない。
『このままじゃいけない』『こんなことでいいのか』という疑問がふつふつと湧いてきました」
原発を筆頭に現政権が進める政策を、蓮池氏は一刀両断した。
「すべてがその場しのぎで棚上げ、先送り。このまま行ったら、この国に住んでいる人たちが壊れる。『これからの人たちは生きていけるのか』という不安が私にのしかかってきます」
高額な供託金に代表される政治参加への高いハードルの問題についても、山本氏と蓮池氏は一致している。
「既得権者だけが選挙に出る。選挙に出たからには、とにかく勝つことに専念する。それが本当の政治なのか。山本太郎さんは今まで一人でやってきた。でも、このまま一人にはしておけない。『一人や二人、あるいは10人で何ができる?』という方も大勢おられるでしょう。でも、『今やらないでいつやる?』とも非常に強く感じるところです」
インディーズとはいえ、ブレイクする可能性は十分ある
蓮池氏は政治の世界におけるれいわ新選組や自分自身の存在を「インディーズ」と規定する。自民党、公明党をはじめ、既存政党はメジャーレーベルというところだろうか。
「しかし、いくらインディーズとはいえ、いろいろな方が政治に関心を持ってくださり、投票率を80%くらいにできるのであれば、ブレイクする可能性は十分ある。ブレイクという形になって、山本太郎さんと私たちで政策云々ということができるかは今のところわかりません。ただ、少なくともそのスタートにはなる。そこに意義があると考えます」
蓮池氏は1955年1月生まれ。1954年9月生まれの安倍晋三首相とは同学年だ。
「太郎さんから見れば、父親みたいな年代。この65年間、いろいろな方にお世話になり、いろいろな方に助けられ、いろいろな方に迷惑をかけてきました。そうした方々、すべての国民の皆さんに恩返しできればと考えております」
山本氏が蓮池氏に出馬を要請したのは、「ここ1週間くらいの期間」だという。
「私が一緒に戦っていきたい人は本気の大人なんです。骨のある人。それを頭の中で考えたときに、蓮池さんの顔が浮かんだ」(山本氏)
一方で野党の中には玉木雄一郎・国民民主党代表や小沢一郎・同総合選対本部長相談役を中心に、野党の結集を進める動きもある。第1党である立憲民主党の枝野幸男代表の態度が不鮮明なままではあるが、32ある参院選の1人区のうち、30選挙区で候補者の一本化が終わった。