国が壊れるのではなくて、人が壊れてしまうという危機感
記者会見する蓮池氏(右)と山本氏(左)
「それではどうぞ、お入りください」
山本太郎・れいわ新選組代表にうながされ、姿を見せた人物はこう名乗った。
「蓮池透と申します」
言うまでもなく、蓮池氏は北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)元副代表。実弟の薫氏は拉致被害者だ。
れいわ新選組事務所(東京・四谷)で5月31日午後3時から行われた1人目の立候補者を発表する記者会見。蓮池氏の登場で一段と緊張感が高まった。
前日、いったんは「参議院選挙の候補者」とリリースされた。だが、山本氏は現場で「参院になるか、衆院になるかはギリギリになるまでわからない」と軌道修正している。
候補者第1号である蓮池氏がマイクを握った。
「山本太郎さんとは随分前からおつき合いがあって。3.11の後に福島・郡山市で収録したテレビの某番組でご一緒したのが最初です。
今は芸能人が政治のことを口にするのはタブーだとよく言われてますけども、山本太郎さんはそんなことはものともせずに、国政に打って出て風穴をあけた。当時から原発反対ということでは共感し、非常にリスペクトしておりました。
当初は反原発の旗手という形で政治をやってこられましたが、この6年間、いろいろな施策を展開しておられまして。そのへんにも非常に。国民の皆さん一人一人の目線から、それこそ皆さんのために政治をやっている。
その原点。このままでは国が壊れるんではなくて、人が壊れてしまう。そういう危機感。これは私も非常に共感するところであります」
蓮池氏は現在、新潟・柏崎市在住。
「突然、山本太郎さんが訪ねて来てくださって。『何とか力を貸してください』とおっしゃってくれました」
蓮池氏は山本氏の申し出に対し、「私が太郎さんのグループに加わったら、マイナスが生じるかも。そちらのほうがむしろ大きいんじゃないか」と懸念を伝えた。山本氏はこれに「非常に光栄な言葉」で答えたという。こうして、蓮池氏は「一念発起し、山本太郎さんを応援していく」ことを決断するに至った。
SNSで政治的な発言を繰り返してきた蓮池氏。出馬に当たって「オフラインで言いたいことを言っていく」ことも決めた。
「東京一極集中と言われる中、新潟県でも人口が流出している。県内の大学を卒業した人たちもどんどん県外に出ていく。県内への就職率は非常に下がっています。かつ県内でも県庁所在地に人口が一極集中している。このままだと、地方都市にはコンビニとラーメン屋、ドラッグストアしか残らないんじゃないか。多くの人が半ば自虐的にそうおっしゃっている」(蓮池氏)