韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第7回>

教団の引率でアメリカ外遊する国会議員団

 8月1日、UPF-JAPANの会長に就任した梶栗正義が韓国での特別集会で驚くべき報告を行った。同年7月13日~15日にアメリカで開かれた教団の大規模イベントや日米韓の国会議員会議に、同教団幹部の引率によって現職国会議員8名(自民党7人・民進党1人)を含む12人の議員団が参加、その成果を発表したのだ。  この国会議員団が参加したのは、ワシントンDC米下院議会での『韓日米の国会議員カンファレンス』NY国連本部での『韓日米有識者懇談会』そして韓鶴子をメインスピーカーに迎えNY MSGで開かれた超宗教フェスティバル『真の父母様MSG大会』だ。  議員団に参加した人物のうち、判明しているのは以下の国会議員。 自民党衆議院議員:山本朋広、竹本直一、穴見陽一、御法川信英、武田良太 民進党衆議院議員:鈴木克昌
統一教会のお膳立てで米外遊する国会議員団

統一教会のお膳立てで米外遊する国会議員団

 集合写真には他にも2名の現職国会議員が写っていたが、誰かは判然としない。  現職の国会議員以外の4名のうち2人は香田洋二元自衛艦隊司令官大野功統・元防衛庁長官だと判明した。地盤を長男の大野敬太郎衆議院議員に継がせた大野元防衛庁長官は、継続して同教団のイベントに数多く出席している人物だ。

“公務”で統一教会幹部と外遊する国会議員たち

 そしてまたしても注目すべきは山本のSNSでの投稿だ。山本は渡米直前、成田空港から「これから出張です。さて、今回はどこに行くのか」と投稿している。「出張」とは「公務など職務で自分の勤務先でないところに臨時に出向くこと」という意味だ。つまり山本は「公務」として統一教会幹部とともにアメリカ外遊をしていたことになる。さらに「どこに行くのか」と、山本は自身の予定すら把握しておらず、教団任せの旅程ということだ。公務として統一教会お抱え外遊に出かける国会議員、これを見逃すことはできなかった。
山本のSNSより

統一教会引率の米外遊を「出張」と報告する山本朋広(山本のSNSより)

韓日米の国会議員カンファレンス』での記念写真には「徳野英治・日本家庭連合(統一教会)会長」「金起勲・家庭連合北米会長」「梶栗正義・UPF会長」「太田洪量・国際勝共連合・世界平和連合会長」「松田幸士・世界平和青年連合会長」ら統一教会関係者の顔も確認できる。  竹本直一のオフィシャルブログ『たけちゃんブログ』にはワシントンDCの米下院議会をバックに、これら教団幹部と笑顔で記念写真に納まる恥知らずな代議士らの姿が掲載されている。
竹本のブログより

教団幹部と記念写真に納まる国会議員団(竹本のブログより)

「200名を超える議員たちがご父母様に侍っていた」

 同特別集会で梶栗正義UPF会長は韓鶴子にこう“国家復帰”の成果を報告している。 「日本からも日本の国会議員をワシントンDCに連れて行ってNYのお母様に挨拶をさせる、このような計画を立てたわけです。日本からは8名の現職国会議員、1人の前長官、元海上自衛隊長官を含む3人の専門家、この12名を連れてアメリカを訪ねました」 「昨年、日本の国会議員連合を創設することを通して少し態度が変わってきました。私たちが計画するところに積極的に参加しようという姿勢が見えるようになってきました。今回も『アメリカにこのような企画があるのだけれど行きませんか』と勧めると、積極的に自分の日程を調整して『アメリカに行きたい』と言う議員がいました。以前、勝共連合の活動が活性化していた時と同じような、その当時は200名を超える議員たちがご父母様に侍って(はべって)いたのですが、その時と同じような雰囲気になっています」 「日本のVIPたちは3日路程を歩み、『オリン・ハッチ上院議員などアメリカの要人とゆっくり会えて意見交換できたのは韓鶴子総裁の世界平和国会議員連合のおかげ』『このような機会であるならば同僚や後輩に機会を与えたい』『真の父母というものを私も学んでみたい』と話す議員もいました。『これからさらに真の父母について勉強していきたい』という議員たちとともに日本において議員連合を育てていきたいと思っています。多くの先輩たちとともに国家復帰に向かって仕事をなしていきたいと思っています」
梶栗正義UPF会長

誇らしげに日本の“国家復帰”について報告する梶栗正義UPF会長(PeaceTVより)

示し合わせた回答拒否

 6人の国会議員に質問書を送付したが、回答は得られなかった。各議員の事務所に問い合わせたところ、武田の秘書は「答える予定はございません御法川の秘書も「回答しないということになっています」と、示し合わせたかのような返答。なんとも不自然な対応だ。宮島喜文の秘書の回答と併せて考察すると、自民党は党の判断として筆者からの取材には「回答しない」と取り決めでもしたのだろうか。
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ズブズブな議員ほど抜擢された要職
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