「我々自民党に対して大変大きなお力をいただいています」
注目は次に登壇した
山本の来賓挨拶の内容だ。山本はこう述べ、同教団との密接な関係をアピールした。重要な内容を含んでいるのでほぼ全文を掲載する。
「日頃より世界平和統一家庭連合の徳野会長、また世界平和連合の太田会長を始め本当に皆様には
我々自民党に対して大変大きなお力をいただいていますことを改めて感謝を申し上げたいと思います。おかげさまで安倍政権も5年目を迎えまして『長期安定政権』そのように評価をいただいているところでございます。皆様には引き続き、
我々に大きなお力を賜りたいと思います。本日は、母の日ということで、わたくしも皆様より一足早くお先に
マザームーン(韓鶴子)に先ほどカーネーションの花束をプレゼントさせていただきました。今、大きな拍手をいただいてたいへん僭越なのですが、今までわたくしの実の母にもあんな立派な花束を贈ったことがないな、あまり親孝行ができてないと反省をしていたのですが、よく考えますとわたくしの母はわたくしにとっての母でしかありませんが、マザームーンは今日お集まりの皆さまにとっての母でありますので、花束が多少大きくて立派でもわたくしの母は許してくれるのではないのかなと、そのように思っております。今日は母の日ということで、マザームーン(韓鶴子)から皆様にいろんな話があると思います。そして皆さまからマザームーンへ対しての感謝の思いがマザームーンへ伝わる。おそらくマザームーンにとっても、そして今日ご参集の人たちにとっても今日は特別な日になるだろうと確信をしております」
教団幹部に背中を押され特大の花束を“マザームーン”に手渡す山本(PeaceTVより)
自民党を代表して統一教会とその政治組織の会長へ感謝を述べ、韓鶴子を「マザームーン」と慕う山本の挨拶は続く。
「さて本日、わたくしがお招きをいただいた一つの理由としましては、実は昨年ILCインターナショナル・リーダーシップ・カンファレンスにおきまして、世界平和国会議員連合を作ろうという議決がなされました。そして昨年の7月にキックオフとしてネパールで第一回の会合が開催され、わたくしも日本の国会議員団の一員として参加をしてまいりました。その後、世界各地でこの世界平和国会議員連合の支部がヨーロッパ、アフリカ、北米、南米とずっと開催をいたしまして、そして今年の2月に全世界でこの支部が設立をされ、その報告を兼ねて韓国で世界平和国会議員連合の会合が行われ、わたくしもその会合にまた国会議員団の一員として参加をさせていただきました。
日本の国会議員としてはこのキックオフ、そしてゴール、この会合、両方とも参加をさせていただいたのはわたくし一人でした」「
皆さまにも引き続きお力を賜りまして世界平和に貢献をして参りたい」「
今日はマザームーンとともに皆さまと特別な一日を過ごしたい」
松下政経塾出身の山本は初出馬の2005年衆院選において、京都2区で前原誠司に破れたものの比例復活。09年の衆院選は前原に惨敗し落選。11年、神奈川4区に鞍替えし出馬、選挙区では落選するも比例で復活した。14年、17年も同様に比例復活と一度も選挙区で勝っておらず党の力を借りて当選している議員だ。
前稿で記した17年2月に
韓国で開かれた世界平和国会議員連合の総会に出席していたのはこの山本だった。山本の他に参加していたのは
武田良太、柳本卓治、そして
民主党(当時)の鈴木克昌。4人の国会議員は韓鶴子から直接“
国家復帰”(※
前回記事参照。統一教会を日本の国教にするという野望)を指令され、その任務を担ったということになる。
韓国での総会に参加する日本の国会議員たち(教団内部資料より、矢印筆者)
「韓国で国際会議」と投稿する山本(山本のSNSより)
そして筆者が注目したのは、ネパール大会に関する山本のSNSでの投稿だ。山本はネパールへ渡航する際、羽田空国から「
はてさて、今回はどこに行かされることやら。。。」と書いている。つまり、世界平和国会議員連合アジア創設大会への参加は山本の意思ではなく
誰かの指示によるものだったということだ。それは自民党二階幹事長だったのか、選挙区で勝なかった京都から神奈川へ呼び寄せた菅官房長官、または安倍首相なのか、その答えはこのあと、山本がどう処遇されていったかを辿ると見えてくる。
「どこへ行かされるのやら」「国際会議に来賓として出席」とネパール訪問を投稿する山本(山本のSNSより)