筆者が意見陳述で述べたのは以上である。さらに、同意見陳述で配布した資料の一部を併せて紹介しておきたい。
<資料>
(1) 毎月勤労統計の不正関係:時系列
● 2004年:東京都500人以上規模の事業所について、約3分の1の抽出調査を開始
● 2017年5月:石原統計室長がシステム改修を指示
● 2017年冬:石原統計室長が上司の酒光統括官に不正を報告
● 2018年:1月分の調査より、東京都500人以上の事業所について、復元処理を開始
● 2018年4月20日:厚生労働省「毎月勤労統計調査における平成30年1月分調査からの常用労働者の定義の変更及び背景について」
● 2018年4月20日:厚生労働省「毎月勤労統計調査における平成30年1月分調査からの部分入替え方式の導入に伴う対応について」
● 2018年8月7日:毎月勤労統計6月分速報値公表(前年比3.8%)
● 2018年8月22日:毎月勤労統計6月分確報値公表(前年比3.3%)
● 2018年9月15日:西日本新聞「所得統計上振れ「対応を検討」 厚労相、経済再生相」
● 2018年9月28日:厚生労働省「毎月勤労統計:賃金データの見方」
● 2018年9月29日:西日本新聞「厚労省、統計発表見直しへ 賃金上昇率過大『補整はせず』」
● 2018年10月5日:8月分速報公表。参考値を公式値とともに発表文の前面にて公表
● 2018年12月10日:総務省の独自分析により500人以上の大規模事業所軍で不自然な数値の上振れが見つかり、厚労省側に照会
● 2018年12月13日:厚労省が統計委員会の西村清彦委員長を交えた非公式会合で、東京都の500人以上の事業所で抽出調査をしていたことを報告。問題発覚。
● 2018年12月20日:厚生労働省が根本大臣に報告
● 2018年12月21日:10月分確報。調査不正には触れず
● 2018年12月21日:2019年度当初予算案を閣議決定
● 2018年12月28日:朝日新聞「勤労統計、全数調査怠る 都内実施は約3分の1 厚労省」
● 2018年12月28日:根本大臣が秘書官を通じて安倍首相に報告
● 2019年1月8日:根本厚生労働大臣が記者会見で毎月勤労統計の問題に言及
● 2019年1月9日:11月分速報(修正なしのまま公表)
● 2019年1月11日:厚労省「毎月勤労統計調査において全数調査するとしていたところを一部抽出調査で行っていたことについて」
● 2019年1月11日:厚労省「雇用保険、労災保険等の追加給付について」。相談ダイヤルを同日に開設。
● 2019年1月16日:特別監察委員会を設置
● 2019年1月17日:特別監察委員会、第1回会合
● 2019年1月18日:19年度当初予算案の修正を閣議決定
● 2019年1月22日:特別監察委員会の報告書につき、樋口美雄委員長らが記者会見
● 2019年1月22日:根本厚生労働大臣が関係者の処分を発表
● 2019年1月22日:厚生労働省「毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書について」
● 2019年1月22日:厚生労働省「毎月勤労統計調査における不適切な事務処理に関する関係者の処分等について」
● 2019年1月23日:毎月勤労統計の11月分確報公表。あわせて、2012年分以降の再集計値を公表再集計値公表(6月分の名目賃金の前年比は2.8%)
● 2019年1月24日:毎月勤労統計の不正調査につき、衆議院・参議院の厚生労働委員会において、閉会中審査
● 2019年1月24日:総務省「基幹統計の点検の取りまとめ結果についての公表」
● 2019年1月25日:外部有識者らで構成する同省の特別監察委員会が職員らへの聞き取りなど追加調査を実施すると、閣議後の記者会見で根本厚生労働大臣
● 2019年2月22日:毎月勤労統計の12月分確報公表。2018年の賃金(名目)は前年比1.4%