裁量労働制実態調査、やはり「不都合なことは聞かない」設計に! 調査票改定案を緊急提言

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graphicalicious / PIXTA(ピクスタ)

 一度削除を余儀なくされた裁量労働制の拡大だが、いま再びそれらを実現するために厚生労働省が検討会を行っていることはご存知だろうか? しかし、その検討会自体が、裁量労働制拡大という結論ありきの厚生労働省の姿勢に誘導される形で、進められてしまっている。  以下の記事では、裁量労働制の実態調査に関する検討会のこれまでの経緯を簡略に整理した上で、調査票案の問い方に重大な瑕疵があることを指摘し、改定案を緊急提言したい。

裁量労働制の実態調査の概要がまとまる

 データ問題の国会における紛糾により、「働き方改革関連法案」からの削除を余儀なくされた裁量労働制の拡大。経済界は早期の拡大を求め続けているが、仕切り直しのためには実態調査のやり直しから始める必要がある。  その新たな実態調査の調査設計を検討する「裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」が厚生労働省労働基準局政策課を事務局として9月20日から行われており、12月21日の第4回(※参照:配布資料)が調査実施前の最終回に位置づけられた検討会であった。  朝日新聞の報道(※参照:「裁量労働、仕切り直し調査へ 厚労省、実態把握できるか」)によれば、厚生労働省は来年度の早い時期に調査を実施し、結果がまとまり次第、裁量労働制の対象範囲の議論をやりなおす労働政策審議会(労政審)労働条件分科会に提出する方針だという。  裁量労働制の拡大ありきの調査ではないと厚生労働省は繰り返し表明しているが、経済界の意向と政府の意向を踏まえれば、裁量労働制の拡大に向けた議論を労政審で行うための最初のステップと位置付けられる実態調査であることは明らかだ。  筆者はこの検討会の第1回開催を受けて、下記の記事で課題を挙げた。 ●裁量労働制の拡大に向けた政府の再挑戦が始動。結論ありきを許すな(ハーバー・ビジネス・オンライン、2018年10月1日)  そして第2回以降、検討会の傍聴を続けてきた。フリーディスカッションの回であった第1回については議事録が公開されているが(※参照:厚労省裁量労働制実態調査に関する専門家検討会 2018年9月20日 第1回「裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」議事録)、調査の方法や内容を具体的に検討した第2回以降については、まだ議事録が公開されていない(参照:厚労省 裁量労働制実態調査に関する専門家検討会)。  筆者は議論の内容を広く共有すべく、傍聴メモを第2回(11月2日)(※参照:筆者のnote)、第3回(12月7日)(※参照:筆者のnote)、第4回(12月21日)(※参照:筆者のnote)について、公開してきた。
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不都合なことが出てこないような調査方法
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