辺野古移設反対署名をインスタで呼びかけたローラさんの声を「政治的」と弾圧する愚

ローラさんの発言に罵声を浴びせる人々

 微妙な売れ方の芸能人だったら「パヨク」のレッテルを貼れば済んだ話なのですが、インスタグラムのフォロワーが約520万人という日本屈指のフォロワー数を誇るローラさんが「沖縄の海を守ろう」と言い出し、辺野古基地建設に反対する署名を紹介したことは、いわゆる「ネトウヨ」を始め「冷笑系」などとも称されるネット民の皆さんには大事件となりました。こうした人々が最も恐れているのは影響力のある人が正論をかましてくることです。ザコには「パヨク」の一言で済んだものの、みんなから愛されているような人が現れてしまうと太刀打ちできなくなってしまう可能性があるのです。  9月30日の沖縄県知事選の時も、若い女のコたちの間で「安室ちゃんはデニー派ではないか」という噂が流れたことにはだいぶ手を焼いたのでしょう。今度はローラさんです。下々のネトウヨたちに大きな影響力を持つネトウヨ言論人たちは、世論の流れが大きく反対派に引っ張られてしまうことを心配し、ここぞとばかりにローラバッシングを始めました。
石井孝明氏のTweet

このTweetはすでに削除済みだ

 ジャーナリストの石井孝明さんは「この人、日本人でなかったら、内政干渉行為と普通の国では騒ぎになりますけど」と発言(2018年12月17日のTweetより。削除済み)。内政干渉ということは、ローラさんは「国家」ということになるため、ローラ王国のローラ姫の発言だと認識しているようです。おてんばプリンセス・ローラ姫のハチャメチャな行動に真面目な家来たちが右往左往する様子はコメディとして面白そうなのですが、一個人の発言を「内政干渉」と言ってしまうジャーナリストって、どうなんでしょうか。  ローラさんに対するバッシングを煽ったのは、KAZUYAというネトウヨユーチューバーと百田尚樹というウィキペディアからの無断転載が話題になった作家だと言われています。  まずは作家のほうですが、「『カエルの楽園』を2016年に刊行した時、『これは予言の書か!』と言われた。というのは『カエルの楽園』に描かれた出来事が次々に現実化しからだ。で、今回、著者自身が腰が抜けるほど驚いたのは、『カエルの楽園』に登場するローラという牝ガエルが、現実に登場したことだ!!!」、「『カエルの楽園』のローラに関して多くの人から「なぜローラという名前?」と聞かれた。作中のカエルたちの名前にはすべて意味があったからだ。でもローラには意味もなく、なぜその名前を付けたのか自分でもわからなかった。 だが今、現実のローラの出現に震えている。私は天才的予言者だったのかも…」(2018年12月19日のTweet)と発言しました。  なんとも奇妙なスピリチュアル発言を展開しているノンフィクションコピペファンタジー作家の百田尚樹先生なのですが、作品に登場するカエルのローラは名前以外に共通点はないだろうに、「ローラの出現に震えている」と言っているのです。オッサン、それ、たまたま名前がカブっただけや! 次の作品では登場人物に「クリステル」とか「ダレノガレ」みたいな名前をつけておけば、また天才的予言者になれるのではないでしょうか。  これを機に不思議な力を手に入れて、お告げで稼ぐビジネスでもするのでしょうか。  続いて、KAZUYAというネトウヨユーチューバーですが、「タレントのローラさんが政治的発言をしたということで話題だ。インスタに「美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの」と辺野古移設反対の署名を促した。政治発言をするのは自由だが、沖縄って埋立まくりなのに今回だけ言うのは違うんじゃないか。」(2018年12月20日のTweet)と言っています。  でも、こんなに美しい海を大規模に、しかも基地のために埋め立てるのは辺野古基地の建設予定地だけなので、他のものが容認できても辺野古基地だけは容認できないというのは自然な考え方です。ましてや、もともと山の中に作る計画を「建設費がたくさんかかるから儲かる」という理由で海を埋め立てる計画に移したのです。その歴史を無視して、まるで辺野古基地に文句を言うのがおかしいかのような印象操作をするのがKAZUYAというネトウヨユーチューバーです。那覇空港の滑走路だって埋め立てるじゃないかと言われていますが、大浦湾の美しさとは大きく異なり、那覇空港は多くの人が「埋め立てることを容認できる海」なのです。  そして、「ローラさんが一番危惧すべきは、左翼界隈から勝手に辺野古基地反対マスコットのように使われることだ。まぁそれも自ら選んだ道。仕方ないね」(2018年12月20日のTweet)だそうです。今のところ、ローラさんに感謝の気持ちを述べる人はいても、ローラさんを旗印に運動していこうという様子は見えないし、ネトウヨのマスコットが勝手に危惧しているだけに過ぎないのですが、ネトウヨ言論人の話を聞いて「パヨクが活気づく!」と思えてしまう大量のB層ネトウヨたちがローラバッシングを始めているという図が見えてきます。
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「政治的な発言」という呪いの言葉
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