辺野古移設反対署名をインスタで呼びかけたローラさんの声を「政治的」と弾圧する愚

「政治的な発言」という呪いの言葉

 ローラさんに対して、「政治的な発言」というレッテルを貼ることにより、人々に「このような発言をするのはタブーである」という印象を与えているのが現代のニッポンです。  このような政治的な発言が抑制されてきたばっかりに、人々が「政治に物を申すのはいけないことなのだ」と認識するようになり、話題のテーブルに乗らない毎日を過ごした結果、今では4人に1人も選挙に行かないところもあり、若い人ほど政治や選挙に無関心になっているのです。そして、政治に無関心になった結果、消費税は10%になり、年金はもらえなくなり、10万ベクレル以下の放射性廃棄物は産業廃棄物として普通に捨てられることになり、沖縄の人たちがどれだけ反対しても工事が強行されるような日本になっているのです。  世論が黙っていないと面倒臭いことになるので、人々が騒がないように常に抑制する社会が出来上がっているというわけです。このまま政治的な発言が抑制され続けると、いつか「徴兵制を採用しよう」という議論が巻き起こった時に、「徴兵制には反対だ」と発言したら「政治的な発言をしている」と言われるようになり、いよいよ「国を守りたくないとは反日だ」と言い出すネトウヨが現れ、無駄にイキがっているだけのアホに支配される国が出来上がってしまうかもしれません。  これは「知性派vs反知性派」の戦いです。安倍政権の中枢は既に愛国カルトの信奉者たちに支配され、USBもハッカーを知らないサイバーセキュリティー担当大臣が誕生し、「英語ができないので総理大臣は目指さない」と言いながら、世界のAIを使った産業革命の時代に乗り遅れようとしているのです。「政治的な発言をしてはいけない」という空気が作り上げられたために、アホが大臣をやって、日本が世界の競争に負ける。もっと政治に興味を持って発言していかないと、日本は間違いなく落ちぶれていくことでしょう。

政府が見限られてホワイトハウスに署名をする日本

 これはもう悲しい現実でしかありません。本来であれば日本政府にコメントを求めるところですが、「日本国民のために建設している」と言うだけで、沖縄県民の民意を無視して工事を強行する理由は述べられないまま。あまりに酷い日本政府は信用されなくなって、だったらホワイトハウスにコメントを求める署名を出した方が有効的だと判断されたのです。  ホワイトハウスからコメントをもらうためには1月6日までに10万筆集める必要があったのですが、ローラさん、りゅうちぇるさん、村本大輔さんをはじめ、多くの著名人が賛同し、現在は10万筆のハードルをクリアし、署名の数はさらに増えているところです。このような現象が起こっていることについて、菅義偉官房長官は「他国が行っている施策に関することだ」と述べただけでコメントを控えています。自国民の中で起こっているムーブメントなのに、能面みたいな無表情でコメントを控える官房長官。ずっとこんな調子なので、いよいよ日本政府が見限られ、この声は海外に向けて発信されるようになってきているのです。
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政治への意見を抑圧してきたことで起きた現実
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