大阪各地で「新線建設ラッシュ」――注目株「なにわ筋線」に加えて「60年越し」の阪急新大阪乗り入れも!

万博までの「開通前倒し」は果たして……?

 さて、大阪市では2025年に万国博覧会が開催される。大阪メトロ中央線をはじめとして万博会場となる夢洲まで直接乗り入れる路線についての「実現可能性」は以前の記事で述べた通りだ。  一方で、大阪市中心部周辺を走ることになる「なにわ筋線」や「阪急新大阪連絡線・なにわ筋連絡線」の「万博までの開通前倒し」については、結論から言えばいずれも「難しい」のではないだろうか。
夢洲附近

「大阪万博」が開催される夢洲附近

 なにわ筋線については全路線が大阪有数の繁華街を通り、また中之島駅で京阪中之島線と接続されるため、万博のアクセス路線の1つとして期待される同線の利便性向上のためにも早期の開通が望まれる。しかし、中心市街地での地下工事は困難を極めるため、これまでも多くの地下鉄路線が開通の延期に追い込まれてきた。地上・地下構造物の解体・移設を余儀なくされる場所もあるかもしれず、流石に6年もの「開通前倒し」は難しいであろう。  また、阪急電鉄が計画する「新大阪連絡線」「なにわ筋連絡線」は、両線とも合わせて5キロメートル弱の路線であり、大部分が地上区間となる。 「短距離かつ大部分が地上工事」であるうえ、先述したように「大部分は用地確保済み」となれば、万博までの開通も夢ではないと思われるが、問題はそれだけではない。  先述したとおり、阪急電鉄は新幹線と同じ標準軌を採用しているものの「新大阪連絡線」「なにわ筋連絡線」については狭軌で建設される可能性が高く、仮にこれら2線が狭軌で先行整備されると、なにわ筋線開通まではどの阪急線とも直通できないため、同社にとっては短距離の「孤立路線」となってしまう。  今後の需要を見極めるためにも、この2線の開通はなにわ筋線本体の開通、もしくはリニア中央新幹線の新大阪開業(2037年以降を予定)に合わせたものになるのではないだろうか。
JR新大阪駅

JR新大阪駅。早ければ2037年にリニア中央新幹線が、2045年には北陸新幹線が乗り入れる

 さて、「新線の開通」により避けられないのが、新線沿線の「街の変化」だ。  とくに、新たなターミナル駅となる北梅田、十三などは大きな変貌を遂げることは避けられないであろうが…それについてはまたの機会に取り上げたい。 <取材・文/若杉優貴 撮影・図/淡川雄太 ウラカシ(都市商業研究所)> 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体『都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken
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