大阪各地で「新線建設ラッシュ」――注目株「なにわ筋線」に加えて「60年越し」の阪急新大阪乗り入れも!

「阪急新大阪連絡線(仮称)」「阪急なにわ筋連絡線(仮称)」

 なにわ筋線とあわせて早期整備が期待されているのが、阪急電鉄が計画している「阪急新大阪連絡線(仮称)」、そして「阪急なにわ筋連絡線(仮称)」だ。  阪急新大阪連絡線(仮称)は、東海道山陽新幹線が発着するJR新大阪駅から阪急十三駅までの約2.3キロメートルの路線。阪急電鉄は1960年代より同線の建設を計画しており、鉄道事業免許については1961年に取得、用地の大部分も確保済みだ。開通となれば「約60年越しの悲願」となる。なお、阪急は併せて淡路-新大阪-神崎川間の鉄道事業免許も取得していたが、こちらは用地確保も進んでおらず、現在は事業免許も失効している。  また、阪急なにわ筋連絡線は、阪急十三駅からなにわ筋線とおおさか東線の接続点である北梅田駅までの約2.5キロメートルの路線。さらに、北梅田駅からなにわ筋線へと乗り入れる計画となっている。  これだけ長く「塩漬け」状態だった計画路線が実現へと向けて動き出した契機は言うまでも無く「なにわ筋線」の建設が具体化したことだが、それに加えて近い将来JR新大阪駅にはリニア中央新幹線、北陸新幹線が乗り入れる予定であり、駅から大阪都心へと向かう客の増大が予想されることもあろう。
「新大阪連絡線」予定地

新大阪駅近くの「新大阪連絡線」予定地。良く見ると高架橋の橋脚が「新大阪連絡線」建設に備えて曲げられている

 国土交通省が2018年4月に発表した「近畿圏における空港アクセス鉄道ネットワークに関する調査」において、この2路線はともに採算性が高いとされており、2031年に予定されるなにわ筋線の開業までの開業を求める声がある。同調査によると、新大阪連絡線の総工費は約590億円、なにわ筋連絡線の総工費は約870億円になるといい、両線ともに開通30年前後で累積損益が黒字化される見込みだという。  なお、阪急電鉄は新幹線と同じ標準軌(レール幅1435mm)を採用しているものの、乗り入れ先となるなにわ筋線がJR・南海の乗り入れを想定して狭軌(レール幅1067mm)で建設されるため、同線に乗り入れをおこなう計画の「なにわ筋連絡線」についても狭軌で建設されることになる。新大阪連絡線は、開通時にはなにわ筋連絡線、そしてなにわ筋線に乗り入れる可能性が高いため同じく狭軌で建設されるとみられる。
「阪急新大阪駅」予定地

JR新大阪駅前の「阪急新大阪駅」予定地とされる場所には2012年に「阪急新大阪ビル」が完成した。仮にここに新大阪連絡線の駅を造るとすれば新御堂筋を高架で越える大工事が必要だ

 さて、新大阪連絡線・なにわ筋連絡線の両線が開通すると、新大阪駅から梅田までは、従来の「JR東海道本線(京都線)経由・大阪駅着」、「大阪メトロ御堂筋線経由・梅田駅着」の2つに加えて、2023年開通予定の「JRおおさか東線経由・北梅田駅着」、そして「阪急新大阪連絡線・なにわ筋連絡線経由・北梅田駅着」と、4つの路線で結ばれることになる。  現在、関空となんばを結んでいる南海電鉄は、果たしてJRと阪急のどちらの路線に乗り入れることになるのか、はたまた北梅田までの直通に留まるのか?そして、阪急が関空直通特急を走らせた場合はJRと南海のどちらに乗り入れることになるのか?――関西における鉄道発展の影には常に「国営鉄道(院線・省線・国鉄→現在のJR)」と「私鉄」との競争があり、これまで「ライバル」であった各社の思惑を考えると何となく想像は付きそうであるが…実際の運行形態については箱を開けてみなければ分からない。
十三の街並み

十三の街並み。手前は阪急十三駅。阪急新大阪連絡線は中央の阪急宝塚線に沿って建設され、山陽新幹線高架橋(奥)で右に曲がる

 また、両線が乗り入れることになる阪急十三駅は、阪急京都線・神戸線・宝塚線の3路線のほぼ全列車が停車する駅だが、計画線が開通すれば5路線が集まることになる。  阪急電鉄では、このほかにも十三-西梅田(-四つ橋線に乗り入れ)を運行する「阪急西梅田・十三連絡線(仮称)」、伊丹空港-曽根(-宝塚線に乗り入れて十三、梅田方面直通)を運行する「伊丹空港連絡線」、そして神戸市営地下鉄との直通運転化といった新線計画を検討しているといい、仮にすべてが開通するとなれば、十三は関西有数のビッグターミナルへと成長を遂げるであろう。
十三駅前の商店街

阪急十三駅前の商店街

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万博までの「開通前倒し」は果たして……?
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