技能実習生の失踪の多くは、実習生側の問題ではなく現場の人権侵害が原因
志位和夫・日本共産党委員長
日本共産党の志位和夫委員長は11月22日に国会内で会見し、入管法改定案について「法案の土台が崩れている。徹底審議の上、廃案にする以外にないということが、いよいよ明瞭になった」と語った。
志位氏は、法案審議で問題になってきた外国人技能実習生の失踪の原因について、政府は「より高い賃金を求めて失踪する者が87%」と、もっぱら実習生に問題があるかのように説明してきたが、「野党の追及で、最低賃金以下の低賃金や暴行など、極めて重大な人権侵害によって(失踪が)引き起こされていることが明らかになった」と指摘。「政府のこれまでの法案の説明が虚偽だった。これをこのまま通すなどということは全く論外だ」と批判した。
それにもかかわらず、自民党の森山裕国対委員長が首相の外遊日程に合わせて、参院本会議での審議入りを「11月28日に間に合わせるよう対応する」と公然と表明していることについて、志位氏は「『27日までに衆院での採決を強行する』と自民党は宣言していることになる。首相の外遊日程まで持ち出しているが、本当に言語道断でとんでもないことだ。絶対に認めるわけにはいかない」と強調した。
志位氏は「国民世論を見ても、来年4月から法を施行する必要はないというのが多数だ」と強調。政府が法成立を急ぐ理由に関しては「今の技能実習生をそのまま使い続けたいために新しい仕掛けを入れようとしている」と指摘した。
「今の非常に深刻な劣悪な現状にある技能実習生をそのまま使い続けるために、この法案を無理押しして通すことは二重、三重に許しがたい。この点では野党で立場は一緒だと思うので、いっそう奮闘したい」(志位氏)