繰り返しになりますが、株取引のポイントは、下がった段階で購入し、上がった段階で売却し、差益(売却益)を得ることです。手持ちの株が上昇トレンドにある場合でも一本調子で上がり続けることはありません。必ず下落する局面があります。その時にタイミングよく買いを入れることを「押し目買い」と言います。
押し目買いで購入した株式が上昇した時に売却し、利益を得ることを「利益確定」といいます。逆に買値より下落し、信用期間(6か月)が迫って損を覚悟で売却することを「損切り」といいます。もちろん、利益確定が多く、損切りが少なければそれにこしたことはありません。
市場に参加する人の中には強気の人、弱気の人、様子見の人など多様な人たちが参加しています。その人たちの市場観、別の言い方をすれば、市場参加者の気分次第で株価は上がったり下がったりします。
たとえば、あなたが持っている株の価格が前日比で2~3%も上昇する日が数日続いた場合、あなたはどのような判断をするでしょうか。あなたの中には3人の異なるあなたがいます。
1番目のあなたは、この辺がピークだと判断し、手持ちの株を売って利益を確定します。それからはしばらく市場の動きを観察し、次の手を考えます。これがもっとも堅実で確実な利益を得る方法です。
2番目のあなたは、山っ気があります。くせ球を投げるのが好きなあなたです。いったん利益を確定したあと、この局面でさらに儲ける方法はないかと考えます。マクロ経済指標やその会社の業績などを分析した結果、あなたは今がピークと考え「近い将来、株価は下落する」と判断して信用売りに踏み切ります。
3番目のあなたは超強気のあなたです。強気のあなたはこう考えます。「今の株価上昇はこの会社の業績回復に裏づけられているだけではなく、景気も回復基調にあり、市場の雰囲気も明るくなっている。まだまだ手持ちの株は上昇するのではないか」と判断します。
手持ちの株を今売るとこれから値上りで得られる利益(期待収益)を失うことになると皮算用して、あなたは手持ちの株を売らずにさらに持ち続ける判断をします。それだけではなく、さらに信用買いで持ち株を増やす選択をします。