防衛通信衛星「きらめき2号」、打ち上げ成功。防衛省が初めて衛星を持つに至った経緯と重要性

Xバンド防衛通信衛星「きらめき」

「きらめき2号」を搭載したH-IIAロケットの打ち上げ Image Credit: nvs-live.com

 報道では「きらめき」という名前ばかりが表に出るが、正式名称は「Xバンド防衛通信衛星」であり、「きらめき」は愛称である。なぜこのような(やや拍子抜けするような)愛称をつけたのかは明らかにされていない。  Xバンドというのは、周波数の種類のひとつで、雨や大気による電波の減衰が小さく、また妨害を受けにくいなど、まさしく軍用の通信にうってつけな性質をもっており、他国でも広く利用されている周波数帯である。  前述のように、日本では宇宙の軍事利用が忌避されていたという経緯から、「きらめき」は防衛省が独自に保有する初めての衛星となる。もっとも、調達や運用といった実際の業務は、防衛省からPFI(Private Finance Initiative)によって委託を受けた、民間企業のディー・エス・エヌが担当している。  たとえば衛星の運用は、ディー・エス・エヌを構成する一社のスカパーJSATが担当し、衛星の製造は同じく同社を構成する一社である日本電気(NEC)と、ディー・エス・エヌには属さないものの大型の通信衛星の製造実績をもつ三菱電機が担当した。意外なところでは、トンネルやダムの建設でおなじみの前田建設工業もディー・エス・エヌに参画しており、衛星の運用を行う施設の局舎の建設などを担っている。 「きらめき」は今回の2号機を合わせて全3機が打ち上げられる計画となっている。1号機の「きらめき1号」は当初、2016年中に欧州のロケットでの打ち上げが予定されていたものの、日本から打ち上げ場のある南米仏領ギアナへの輸送中に損傷する事故が発生したため、2018年3月以降に延期。先に2号機である今回の「きらめき2号」が打ち上がることになった。なお、3号機の「きらめき3号」は2020年度中の打ち上げが予定されている。  ただ、安全保障に関わる衛星であることから、各衛星の質量、寸法などは明らかにされていない(たとえば「きらめき1号」と「2号」は同型機ではないとされるが、詳細は不明)。配備される軌道も、地球の赤道上、高度約3万5800kmにある静止軌道ということ以外は明らかになっていないが、おそらく自衛隊が主に活動する日本周辺と、太平洋上やインド洋上などへ配備されるものと思われる。
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”きらめく星”になれるか
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