更に、メキシコが壁の建設に反対している理由がある。
それは、現存する壁が出来たことによって、それ以後<現在まで6500人が身元が確認された遺体、そして1500人が身元不明のまま遺体となった犠牲者>である。壁が出来て迂回して越境できる所を探している間に<日中は摂氏50度、夜になると気温は零下に成るという厳しい条件に数日間耐えて行かねばならない>のである。その結果が上述の8000人の犠牲者がこれまで出ているという事実である。そして、2000㎞を壁で延長するようになると犠牲者は更に増えることは自明であると指摘している。(参照:「
BBC」)
また、国境近くの町の住民は壁が出来ることによって、直ぐ隣の米国の町に働きに行くこともできなくなる。更に、川の水が氾濫して、壁があることによって水の流れが遮断され洪水になったという例もあるという。同様に3000㎞の国境には自然の中で生息している生き物も壁によってこれまでの自然の法則によって移動していた自由が阻害されてしまうという問題も発生するとしている。
米国側では国境の警備に<1992年の4000人から現在21000人>増加していることに言及し、この壁が完成した時点で<60000人まで増員したい>としている。(参照「
Magnet」)