欧州で激化するテロ攻撃、次の標的は「スペイン」説が浮上

photo by Efraimstochter(CC0 PublicDomain)

 本サイトで7月17日に、「ドイツにはマストヒズボラのテロリストが1250人潜伏!? イスラエル紙報じる」という記事を配信したが、記事配信後にミュンヘンでは銃の乱射事件が起き、ドイツ南部のアンスバッハでもコンサートを狙った自爆テロが起きるなど、次々とテロが表面化している。  そんな中、次に標的になっている国はスペインだという話が立ち上がっている。  スペインはもともとイスラムの影響を受けた国である。西暦711年に始まった北アフリカのウマイヤ朝によるイベリア半島への侵入から1492年のグラナダのナスル朝が崩壊するまでスペイン領土の大半がイスラム勢力の統治下に入った。特に、イスラム勢力の支配力が強かったアンダルシア地方は彼等らによって「アル・アンダルス(Al Andalus)」と呼ばれた。  10世紀にはアル・アンダルスの中心都市だったコルドバは現存するメスキーター寺院を始め、当時のヨーロッパにおける主要都市のひとつとして発展した。医学、天文学、哲学などの文化が栄えた。  アルカイダがテロ組織として登場すると、彼らは領土回復運動の一貫としてテロ活動の鋒先としてスペインを選んだ。それが具現化したのが2004年3月の首都マドリードで起きた電車の同時多発テロであった。このテロ攻撃で191人が犠牲者となった。その動機づけとなったのが2003年の米国をリーダーとして武力介入したイラク戦争にスペインも参加したからであった。  そして今度は、イスラム国がスペインでのテロ攻撃を準備しているというのだ。先ず、それが表面化するのが今年1月に彼等はビデオを流布した。その中にイスラム国が征服したい箇所を地図で示し 、それにスペインが含まれていたことだ。テロリストのひとりはビデオの中で〈「アル・アンダルスからイスラム人を追放したツケは高いものにつく」〉と語った。(参照「RT」)
次のページ
ISの広報に「スペイン語」が加わった
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会