未遂に終わったトルコのクーデター。「ヤラセ」疑惑も飛び出す

白石和幸

Chris McGrath/getty Image

 トルコで7月15日夜に起きた軍部の一部が起こしたクーデターは、その翌日には未遂に終わった。
 今回のクーデターは突発的に起きたのではない。今年に入ってから、クーデターが起きるという噂は拡大していた。トルコは戦後、3度のクーデターのあった国だ。1960年、1971年、1980年とクーデターが続き、1997年には軍部がイスラム化した首相を解任させるという動きもあった。即ち、10余年ごとに政変が起きていることになる。

 トルコは政教分離された国で、軍部も基本的に世俗主義を信条としている。国の政治がイスラム教条主義に走ると軍部がクーデターを起こして、議会制政治の軌道修正を計るというパターンになっている。そして一旦それが修正されると、軍部は議会制民主主義を復活させた。よって、クーデターが起きても、軍部が政権を掌握する期間は一般に短い。

 今年に入って、外国では「トルコでクーデターが起きる可能性がある」と囁かれるようになったのは、エルドアン大統領がイスラム教条主義を強め、そして議会制民主主義による政治を軽視して独裁色を強めたからである。以下に、エルドアン政権へのクーデターを促したと思われる要素を挙げてみよう。

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言論の自由を阻んだエルドアン大統領
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