ソニーはなぜ「レコードプレイヤー」の新製品を発売したのか?

安価なモデルと共存し市場拡大を目指す

「最近は1万円前後で購入できるレコードプレイヤーが、各メーカーから発売されています。機能・性能でいえば必要最低限ではありますが、初めてレコードで音楽を聴く方の入門編としてはありうる選択肢だと思います。まずはシンプルで扱いやすく、安価なプレイヤーから入りレコードの魅力に触れ、さらに、レコードならではの音をもっと深く味わいたい、大切なレコードの楽曲をハイレゾ録音して屋外に持ちだし手軽に高音質で楽しみたい、という方にはより高品質な製品をお買い求めいただく。その最初の間口を広げるという意味では、お求めやすいプレイヤーが数多く出回って、音楽市場が活性化するのであれば業界全体としてもよいことだと思います」(増田氏)  2000年頃から、音楽はネットワーク・デジタル音源の時代へ移り、それまでのCDと比べ格段に手軽に、さまざまなジャンルの楽曲に触れられるようになった。以降、月額いくらで契約し、好きな楽曲をダウンロードするといった販売形態が広まり、CDの売り上げは右肩下がりだと聞く。そんな中、旧世代のアナログレコード市場が盛り上がってきている。落ち込み気味の音楽業界の状況を打開する一手として定着するか、注目したいところだ。 <取材・文/上原純(OfficeTi)>
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