中高一貫私立でレベル無視して「検定外」教科書がもてはやされる背景――江藤貴紀「ニュースな事情」
2016.06.22
学習指導要領ではなく体系的に学ぶための教科書
「普通の教科書では、学年別に習う内容が決まっているため、学習する生徒たちにとっては必ずしも自然な流れになっているとは限りません。たとえば、「等しい」関係を表す「方程式」は中学校の1年生で学習しますが、「大きい」「小さい」といった関係を表す「不等式」をきちんと学習するのは、高校の1年生。「等しい」「大きい」「小さい」これらはごく自然とつながって理解される事柄です。そこで数研出版は、「方程式」に続いて「不等式」を学習できる教科書があってもよいのではないか、と考えました。 理解の流れを重視して編纂した「体系数学」シリーズは、授業の中心として使用する教材として、さまざまな学校から支持を得ています。」(参照:教研出版)文部科学省の教科書検定や学習指導要領に基づいた検定済み教科書と、体系数学のいずれが優れたテキストか(あるいは、どういうふうな長所と短所をそれぞれ持つのか)については、留保しよう。 だが、筆者が気になるのは検定外教科書がしばしば、生徒の優秀さを考慮に入れたとしても難しすぎることがあるのではないかという点だ。代表例が英語科である。
『亡国の中学受験~公立不信ビジネスの実態』 公立不信をあおる受験産業と結託した、私立中高一貫校の実態を白日の下にさらす。 |
ハッシュタグ