熊本震災で「町の財政を支える観光施設」がピンチに!

いまだに観光客減少が深刻な九州

390mの空中散歩。地元の人は「紅葉の時期には普段の賑わいを取り戻せれば」と話す

 観光客の減少は九州内各地で未だに深刻だ。  九州経済調査協会の試算によると、地震による2016年度の九州内総生産の減少額は2,600億円~3,600億円にも上ると見込まれ、そのうちの1割以上、約360億円が観光消費の減少によるものだと推計されている。  長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」1施設だけを見ても、地震の被害が全く無かったにもかかわらず、5月中旬までに宿泊客15,000人、団体入場客26,000人が予約をキャンセルしたという。  また、日本一の温泉地である大分県別府市では、大型連休中の観光客数が昨年比で約45パーセントも減少。別府市では、観光施設や飲食店などの経営破綻を防ぐために緊急経済対策を実施することを決定している。  九州全体の復興までにはまだまだ時間がかかりそうだ。

別府市中心部で行われた復興支援イベント

※九重町の写真は被災前のものです。 参考文献:大銀経済経営研究所(2008):九重“夢”大吊橋の地域経済効果.おおいたの経済と経営 (210),pp.1-9. <取材・文・写真/都市商業研究所> 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」 ※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中 ・イオン「ウエルマート」全店舗、マックスバリュへの転換完了銀座ソニービル、2017年3月閉館-2022年の建替え目指す日本橋三越本店、重要文化財に-開店343年、築102年
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