熊本震災で「町の財政を支える観光施設」がピンチに!

通行客激減で、捨て身の覚悟の「無料化」へ

一躍人気観光地となった九重"夢"大吊橋

 九重“夢”大吊橋の周辺では観光客の増加を受け、地元の特産品である牛肉と野菜を使った「九重“夢”バーガー」を開発、新たな名物とするとともに地元産品のPRに繋げたほか、様々なイベントを行ったりインバウンド需要にも対応することで集客を維持してきた。近年の来客数は1日平均千数百人ほどで推移、開通10周年となる2016年内には来客数1000万人を達成する見込みとなっていた。  しかし、4月14日の熊本地震後からは状況が一変する。  吊り橋に被害はなく、九重町内でも地震の被害を受けた住宅は2軒に留まるなど直接的な被害は少なかったものの、九重町を訪れる観光客は激減。  九重“夢”大吊橋では、昨年の4月は42,283人の客が訪れたのに対し、今年4月は半減近い23,650人で、特に地震後は殆ど集客することができず、西日本新聞の報道によると、4月21日の通行客数は過去最低の2人。九重町内の宿泊者数も、地震後は昨年比僅か16パーセントほどにまで減ってしまったという。  そこで、九重町では観光の起爆剤として期間限定で九重“夢”大吊橋の無料化を行うことお決定した。九重“夢”大吊橋の無料化は開業以来初となる。無料で通行できるのは、2016年6月1日から7月31日までの2か月間。  町の財政を大きく支えてきた吊り橋の通行料収入であったが、九重町ではこの収入を捨ててでも、橋の無料化により周辺観光地に客を呼ぶことで、観光復興の起爆剤としたい考えだ。  開業当時は在京マスコミによる「批判報道」が話題となり集客に繋がった九重“夢”大吊橋。地元では、今回の無料化が話題を呼ぶことで再び賑わう温泉地に戻れればと奮闘している。
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いまだに観光客減が深刻な九州
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