そこで、ここでは人間関係の価値をお金に換算してみた研究を紹介します。友人や家族の価値に値札をつけて、その重要性をリアルに体感してみましょう。
というと「人間関係をお金に換算できるの?」と思われそうですが、基本的なアイデアはシンプルです。ロンドン大学のニック・ポータヴィー博士は、2007年に以下のような計算を行いました。
1.イギリス世帯パネル調査のデータ(10年分)を使い、約55,000人分の幸福度の変化をチェック
2.幸福度に影響をあたえる要素を選り分けたうえで、人生によくないことが起きた場合に、いくら収入が増えれば埋め合わせが効くかを調べる
つまり、ヒトの幸福を左右する要素(結婚など)の満足度を数値で出し、同じレベルの幸せを手に入れるために必要な金額を計算していったわけですね。
もちろんこれはイギリスの調査ですが、人間の幸福に影響をあたえる要素に関しては、先進国ではあまり差が見られないようです。その点では、日本人にも大いに参考になるでしょう。
それでは、まず一般的な人間関係の値段から見ていきます。いずれの金額も人間関係が最悪な状態との価値をくらべたものです。
・良好な人間関係がもたらす価値は年に約1400万円
・定期的に友人や家族に会うときの価値は年に約1000万円
どうやら、定期的に遊べる友だちが1人でもいれば、まったく友だちがいない人にくらべて、1,000万円をもらったのと同じぐらい人生の満足度はアップするようです。かなりの金額ですね。
その意味では、家族や友人とのつながりを重視するマイルドヤンキー的な価値観も、人生の満足度を高めるうえではコスパが高い生き方のひとつだと言えるでしょう。