林業を目指す若者の増加が日本の森林の未来を守る?

林業従事者を増やす上での課題

 今後は、いかに魅力あるコンテンツを作り伝達していくか、という点が課題となるはずだ。グリーンバナー推進協会事務局長の榎本氏は、農業や食、といった分野と住み分けするのではなく、“共存”していくことに未来があると提言する。「林業に就きたい、という人は年々増えてきています。しかし、今の段階では収入面や仕事量が充分でないという現実もある。絶対数が増えても収入や仕事量を確立するには、林業単体で物事を考えるのではなく、他業種との連携も鍵といえるでしょう。  例えば、森林土壌を活かした農園の野菜やフルーツを販売する事業「森の恵」を当協会でもスタートさせました。森林の間伐で出た木材を粉砕して堆肥にすることで林業振興と農業土壌の改良が同時に進む仕組みです。他にも山菜をブランド化して飲食店と提携したり、消費者参加型のイベントを開催することで地域起こしを図る。こういった動きは双方にとって良い方向に導けるはずですし、将来的な職の創出にも繋がる。若い人が安心して飛び込める業界になるため、少しずつ改善されてきたという手応えは感じています」。  林業を取り巻く環境の厳しさと変化、また環境保護のために人材の確保が必要であるという事実を強く認識した。本稿が少しでもその“気づき”の入り口となれば、と願いを込めて結びとしたい。<取材・文/栗田シメイ>
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