サウジの政府系ファンドがUberに35億ドル出資! なぜサウジ?

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 2016年6月1日、米配車(ライドシェアリング・サービス)最大手ウーバーテクノロジーズ(Uber)は、サウジアラビアの政府系ファンド「公共投資ファンド(PIF;Public Investment Fund)」から35億ドル(約3800億円)の出資を受けたと発表した。この調達でウーバーの評価額は625億ドル相当に達したという。ウーバーのバランスシートは110億ドル超となる。PIFのマネジングディレクター、ヤシル・アルルマヤン(Yasir Al Rumayyan)氏がウーバーの取締役会メンバーに加わる。(参照:ロイター)  今年4月、サウジアラビア政府は、2030年に向けた国内経済の改革指針「ビジョン2030」を承認し、原油安の長期化で財政悪化が進んでいることに対して、石油依存経済からの脱却をおこなうために、世界最大の国営石油会社サウジアラムコのIPO(新規株式公開)などを打ち出しているが(参照「ハーバービジネスオンライン」)、今回のUberへの投資も「石油依存脱却」を目指す新たな金融資産の運用先を模索してのものと思われる。
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サウジのUber利用者8割が女性。その理由は?
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