朴槿恵大統領のアポロ計画は実現するか?――韓国の新型ロケット、開発が正念場に

「2020年、月に太極旗をはためかせる」

2020年に打ち上げが予定されている月探査機 Photo by KARI

 2012年12月。次期大統領を狙う朴槿恵候補(当時)は、テレビ討論の中で「2025年までに月着陸船を送るという計画があるがこれを操り上げたい。2020年に月に太極旗がはためくだろう」という公約を掲げた。  この公約の背景には、韓国航空宇宙研究院(KARI)が進めていた月探査計画がある。KARIは韓国の航空・宇宙研究機関で、米国でいうNASA、あるいは日本でいうJAXAに相当する。もっとも、朴大統領自身が触れているように、KARIは2020年代中期の実現を目指した長期的な計画を考えていた。朴大統領はこれを前倒しし、2010年代後半から2020年までに実施するとしたのである。  この公約によって改定された現在の計画では、2020年までに2機の月探査機を打ち上げることになっている。まず2018年に月の周囲をまわる探査機が打ち上げられ、月の表面を探査する。その1~2年後に月に着陸する着陸機を打ち上げ、探査車(ローヴァー)を走らせて探査を行う。どちらかというと後者のほうが本番で、月面に韓国製の探査車が降り立つことをもって、「月に太極旗を立てる」ことになる。また2018年に打ち上げる探査機は、この2020年に打ち上げるローヴァーの着陸地点の選定に必要な、月の地表のデータなどを得ることを目指している。  しかし、韓国はこれまでに月に探査機を飛ばした経験はなく、そもそもロケットももっていない。つまり2020年までに、この2つを同時に開発し、完成させなければならない。
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迷走した韓国のロケット開発
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