「人工知能関連の国内市場規模は’30年に86兆9620億円と、’15年の23倍に拡大すると予測するシンクタンクもあるほど。今後は人工知能を駆使し、一人ひとりの消費者に応じたレコメンド(おすすめ)機能が強化される小売業や、生産ロボットの進化の恩恵を受ける製造業などでも、市場規模が急拡大することが期待されます」(飯村氏)
人工知能の技術を使った自動車の自動運転が実現する日もそう遠くはないと考えられる。そうなればドライバー不足に悩む運輸業などでも大きな恩恵を受けることになるという。
「人工知能の技術は各産業に計り知れない経済効果をもたらすことが期待され、ソニーなど研究開発に熱心な大手企業も多くあります。しかし、実際に投資するならマザーズなどに上場する中小型の新興株が有望です。大型株に比べて値動きが軽く、大化けも狙えるからです」(同)
しかし、新興株には気になることがある。2月半ばから急上昇していたマザーズ指数が5月半ばに「大暴落」し、人工知能関連銘柄も激しい下落に見舞われたのだ。この暴落について、藤井氏はこう解説する。
「人工知能銘柄の本命の一角とされ、年初から5倍以上に急騰していたJIG-SAW(3914)の決算内容が期待はずれだったことで投げ売り状態となり、一時は2万4000円近くまで急騰した株価が9620円まで売り込まれました。売りが売りを呼ぶ形でマザーズ市場全体に下落が波及したのです」