移動後、ちょっとした遊びで肩慣らし。そして、いよいよメインイベントの「共同作業」に入る。今回のミッションは、「レインボー」。木製模型の組み立てだ。
ネタバレになるが、木製模型は虹の形をしており、いくつものアーチ型パーツに分解できる。
バラバラにされたパーツが各人に一つずつ配られ、これを元通りに組み立て直すのがミッションだ。正しい形に復元するためには、大きさの異なるパーツを、小さい方から順番に重ねていかなければならない。
しかし、当然ながら一筋縄ではいかない。「他人のパーツに触ってはいけない」というルールがあるため、大きさを直接比較することはできないのだ。
誰がどの大きさのパーツを持っているのか? 論理パズルを解くようなものだが、視覚以外の方法で情報を共有しなければならない。
ミーティングをして、工程を決める。制限時間は15分。
「俺のパーツはでかいね。手首から肘までの長さがある」
「私のも。腰にハマるくらい大きい」
「それじゃ、個人差があるからわからないよ(笑)」
こんなやりとりで時間が過ぎていく。もどかしいのだが、メンバー同士で意図を伝えよう・汲み取ろうともがき合ううちに、妙な一体感が漂い始める。
同時に議論を仕切るリーダーが自然に現れる。今回も頭の回転が極めて速い女性がいて、レスポンスの速いこと! 素早く議論をまとめて、方針を固めていく(おそらく私より10歳は若いだろうに!)。
タイムリミットが近づくにつれ、組み立ての順番を確定させようと焦りが生じる。それにも関わらず、迷いも露呈する。
「あれ? どっちが大きいんだっけ?」
「さっき言ったより微妙に小さいかも……」
議論は行ったり来たり。
模型作りを仕事に置き換えてみれば、求められているものがわかりやすい。思考のスピード、クリエイティブな発想、プロセスの効率化などなど、ビジネスをミニマム化したものなのだ。
結果は果たして……研修終了後に発表されたのだが、残念ながら失敗。一箇所だけ間違いがあったことが悔やまれる。