「世界で一番貧しい大統領」の南米諸国指導者評が面白い

ラテンアメリカを愛するムヒカ

 ラテンアメリカ諸国の指導者についても辛口で批判するムヒカ氏だが、彼はラテンアメリカを愛している。  「ラテンアメリカにはひとつのユートピアが存在している。即ち、我々は複数の国によって分かれているひとつの国家であるということだ」〉と説いているほどいだ。 (参照「Infobae」)  その意味というのは、ラテンアメリカの殆んどの国がスペイン語を公用語としていることだ。各州が集まってアメリカ合衆国が形成されているように、ラテンアメリカもその為の重要な条件として共通のひとつの言語をもっていることからひとつの国家になれる要素を備えていた。ムヒカ氏はその意味でラテンアメリカのすべての国を愛していたといえる。  しかし、ラテン人特有の個人主義に支配されてひとつの組織にまとまるのが苦手なのである。それが中南米合衆国といったひとつの国家が誕生しない理由であろう。 <文/白石和幸 photo by Frente a Aratiri on flickr(CC BY-SA 2.0) > しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
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