民泊の不都合な真実。フランス宿泊業界関係者が緊急来日で悲痛な訴え

テロリストの潜伏先にもなった民泊

 また、21015年11月13日(日本時間14日)に発生したパリ同時多発テロでは、その主犯格が潜伏先として民泊を利用していたと明言。これについては質疑応答でも日本側の記者から質問が飛んだ。 「パリの同時多発テロで民泊が潜伏先として使用された事実は、日本ではあまり報道されていません。詳しく教えて頂けますか?」という質問に対し、シュネ会長以下3名のフランス人登壇者は、互いに目くばせをしつつ、慎重に回答した。 「あのテロ事件でパリはもちろん、フランス全土が体験したことがない程の大きな悲しみに包まれ揺れました。あれだけの落胆と憔悴をフランス国民が味わった中、我々は鬼の首でも取ったかのように、そらみたことか、テロに民泊が使用された!とその部分をことさらに強調して抜き出し声高に訴えることはしませんでした。フランスの多くのマスコミもそうでした。それから我々も、政府の民泊推進・容認、制限付き容認、民泊反対派などと、多くの交渉チャンネルとしてのパイプは持っていなければならない。それらを失わずに今後も言うべきは言い、活動と交渉をしていかなければならないということでご了承いただきたい」  Airbnbの先行により民泊が既に不本意な形で野放しとなってしまったフランスでは、民泊が死亡事故・性的暴行・盗難・火災・売春の温床になっている事実、薬物使用・騒音など、民泊のマイナス面として知られるようになった。加えてテロリストの潜伏先にも利用されたのだ。
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「日本はまだ間に合う」
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