ポイントはその学生さんが「腹が立つ」と言ったときに、「恐怖」の微表情を浮かべたことです。言葉と微表情とが一致していないのです。通常、「腹が立つ」という言葉と一致する表情は「怒り」です。「怒り」表情が生じるのが普通の状態なのです。しかし、この学生さんは「怒り」表情ではなく、「恐怖」の微表情を浮かべたのです。
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このような言葉と微表情とが一致しない場合、私たちは無意識に違和感を覚えることがあります。
例えば採用会議の席で「あの学生なんか変なんだよな~」とは思うものの、「その根拠は?」と問われても答えられないような場合があります。その根拠こそ、微表情の可能性があるのです。
言葉と微表情との不一致を発見したら(最初は微表情を適確に検知できなくても違和感を感じる意識を高めようとするだけでも十分です)、質問ポイントです。深堀りの質問をしましょう。 人は自分自身が重要だと感じる局面で感情を感じます。なぜその出来事が学生さんにとって重要なのかを聞くことで学生さんのパーソナリティーを深く理解することができます。言葉を言い換えるならば、微表情が生じた理由、つまり感情が抑制された理由を明らかにする必要があります。
「どのように、なぜ怒りを感じたか」「怒りを感じたことでどんな行動をしたのか」「怒りを感じたことでどのような学びを得たか」「本当にそれは腹が立つ出来事だったのか」「その出来事に不安を感じるようなことはあったか」といった事項を詳細に聞いていく必要があります。