タイのドックショーで日本人ブリーダーが活躍! タイから世界に挑戦

マナーオが獲得したトロフィーの数々

タイのドッグショー界で一目置かれる存在

 現在、「泰国吉田犬舎」にはバンゲーオが22匹、シベリアンハスキー2匹、秋田犬が2匹いる。吉田さんが先の2匹を中心にショー・ドッグとしての躾を行うのはある理由がある。名誉や賞金が目当てではなく、犬の「社会化」が目的なのだそうだ。 「犬は人の外見を見て得意な人苦手な人を分類しています。その分類はある一定の年齢で固定されてしまいますのでそれまでにたくさんの人に会わせるようにしています。そうすることでいろいろなタイプの人に懐くのです」  ブリーダーである以上吉田さんは我が子として育ててきた子犬たちを顧客に引き渡すのが仕事になる。犬は引き取られた家庭で生きていくわけで、いつまでも慣れずに人見知りを続けていれば、犬と人の双方が不幸だ。そのため、吉田さんが最も大切にするのが子犬たちの「社会化」なのだ。 「人の集まるドッグ・ショーに出場することで多くの人に会うことができます。何世代も継続してショーに出場していけばより深く社会化した血統が形成されます。ですので、積極的にドッグ・ショーに関わっているのです」  そんな吉田さんはバンゲーオを飼い始めたのがたった3年前でありながら、現在はタイ人のショー・ブリーダーたちが脅威を感じる存在になった。マナーオと鳴海は行く先々で優勝や入賞の常連になっており、2015年中には2匹ともタイの最高峰とされるタイ女王杯も獲った。これまで君臨していたベテラン・ブリーダーたちからすると吉田さんとマナーオは脅威なのだ。
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