『El Pais』では、ラニエリがレスターの選手に常に伝えていた言葉が報じられている。

〈「どうして走り続けることが出来ないのだ？我々はフォレストガンプ（※）だ。レスターはフォレストガンプだ。そこにレギュラーとしての資格が生まれるのだ」〉（※トム・ハンク主演の映画）

　献身的に走るまくる岡崎が、彼のチームで評価を得たのも当然の結果だろう。 　ラニエリがレスターの選手との最初の練習で感じたことに触れているのは『SPORTYOU』だ。ラニエリが最初に感じたのは〈レスターの選手がイタリアサッカーの戦術について恐れている〉ことだったという。そこで、ラニエリは戦術のことは選手に少しだけ教えることにして、彼らを信頼していると伝えたという。ラニエリにとって戦術よりも大事なのは〈選手が昨シーズンの最終段階で2部リーグに降格しない為に見せたグランドで激しく走りまくったことを今シーズンも続けてくれることだ〉と考えたという。 　そして、最初の練習の前に選手に伝えたことはこんな言葉だった。

〈サッカーにはパーフェクトな形式はない。化学と違うのだから。また世界共通の規則もない。チームで持っていることのベストを引き出すことだ。悪いプレーをすることはチームの同僚を裏切りことを意味することになる〉（参照：『SPORTYOU』）

　そして、今シーズン最初の試合を前に、ラニエリは選手全員を前にして控室でこう語った。

〈「皆んな同僚の為のプレーをしなさい。我々は小さなクラブだ。だから全身全霊で戦わねばならない。対戦相手の名前など大事なことではない。私が望んでいることは戦うことだ。相手が我々よりも強い場合は祝福してあげれば良い。しかし、我々の方がより強いチームであることを見せねばならない」〉（参照：「ABC」）