レスターを初優勝に導いたラニエリ監督が語った言葉

photo by Leicester City FC via Getty Images

「時代にそぐわない」と言われていた監督

 英国プレミアリーグで初優勝を果たしたレスター。岡崎慎司選手が所属することでも知られるこのチームは、ロンドンから北上して100kmに位置する人口30万人のレスター市をホームグランドにしている。最近10シーズンの成績は1シーズンを3部リーグで、8-シーズンを2部リーグで、そして昨シーズンをプレミアリーグでプレーしたチームだ。  レスターの昨シーズの今頃は最下位で2部リーグに降格しないように選手は試合で走り回っていた。プレミアリーグでの残留が決まってからは、タイ人のオーナー、ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバの唯一の願いは今シーズンもプレミアムに残留するであったという。当時、彼がその為に監督候補として名前を挙げたのは〈フース・ヒディンク、ミカエル・ラウドルップ、クラウディオ・ラニエリ〉の3人であったという。  3人ともスペインリーグでも監督として指揮を振った経験があるから、彼らのサッカーはスペインでは良く知られている。結果的に、ご存知のようにラニエリが監督になったわけだが、オーナーが彼を監督として選んだ根拠は〈彼のチェルシーでの采配ぶりを評価した〉からだという。(参照「ABC」)  ラニエリは2000年からチェルシーで4シーズン監督を務め、最後のシーズンは2位で終えている。しかし、その評価は決して高いものではなかった。というのも、チェルシーのオーナーがケン・ベイツからロマン・アブラモビッチに代わり、新オーナーは当時ポルトガルサッカーで優秀な成績を挙げて彗星のごとく現れたホセ・モウリーニョを監督に選んだのだ(モウリーニョも2シーズンで解任されている)。  最近のサッカー界では監督への評価も激しい。そんな中にあって、ラニエリの出身国であるイタリアでさえ、彼への評価は〈「もう時代にそぐわない監督だ」〉というレッテルが貼られていたという。(参照「ABC」)
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ラニエリの標榜した「走る」サッカー
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