消費増税、延期か予定通りか? 各方面の反応をまとめてみた

民間エコノミストは「延期すべきでない」が優勢

 日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにする「ESPフォーキャスト調査」(2016年4月調査、4月11日公表)がある。  同調査の結果を見てみると、43名の民間エコノミストの内、「延期すべきでない」が23名(53%)、「延期すべき」が13名(30%)、無回答が7名(16%)であった。  民間エコノミストの間では、「延期すべきでない」が「延期すべき」を23ポイント上回っている。

経団連は、消費税率10%への引き上げを支持

 経済界の消費税増税に関する見解はどうか?  4月25日の記者会見で、経団連の榊原定征会長は、2017年4月の消費税率10%への引き上げについて「計画通りやるべきだ。地震の後でもそう思っている。消費増税で経済が傷まないようしっかり対応をとるべきだ。」と述べ、消費税増税を支持した。 (参照:経団連会長、消費増税「計画通りやるべきだ」 熊本地震後も増税支持 日本経済新聞)  榊原会長は、熊本県を中心に相次ぐ地震の影響を考慮すべきであるが、予定通り増税すべきだとの考えを強調する一方で、政府に個人消費のテコ入れ策を早期にまとめるよう求めた。また、自民党の稲田朋美政調会長が言及した1%ずつ引き上げる選択肢に関しては、「企業の事務対応が2度になるのは避けるべきだ」とし、慎重な考えを示した。
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世界的経済学者は「延期」支持
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