しかし、エジプトとサウジを繋ぐ橋が出来るとなると、様相は一変する。
4月10日付の『
The New Arab』電子紙に至っては、〈戦争を引き起こす直接の要因になりうる〉とさえ言及しているほどだ。
それは、取りも直さず航行の自由が制限される可能性があると見ているからである。
もちろん、別の考えもある。同紙の中でハーレツ紙とインタビューしたベングリオン大学のエジプト専門学者ヨラム・メイタル氏は〈この地域の情勢は変化しており、イスラエルとサウジとエジプトの関係も強固なものになっている故に、この建設プランに反対する理由はない〉と述べている。そしてその関係性は、イランを意識すればするほど、より結束が強くなるように思える。
しかし、イスラエルは「過去は繰り返す」と見て、エジプトとの関係には常に疑う余地を持っている可能性もある。実際に、シシ大統領はムバラク元大統領の米国との一極外交と異なり、ロシアとの関係も伸展させて、ナセル元大統領の復元を望んでいるとも言われている。