無数の金色のびょうが並ぶ
日本ではバブルの香りを感じさせるMCM、そのどこが好きなのかを中国人愛用者へ聞いてみると、「特に理由はない。流行っていて、周りの友だちが皆持っているから」と20代後半の女性は答えてくれた。ちなみに彼女は父親が会社経営者で本人は無職に近い。さらに数人へ聞いてみるも同じような回答だった。日本のかつての「ルイ・ヴィトン」ブームと近い印象も受ける。
先述したように、MCMが中国人に好まれる理由として、大量かつ目立つ大きなロゴマークと大好きな金色な鋲の装飾がある。
そして、MCMは決して安くはない。中国の公式オンラインショップでリュックタイプが5000元以上(約8万4000円)する。日本で買えばもう少しお得に買えるようだが、日本で売られているMCM製品は、鋲なしか、鋲が数えるほどしかないようなデザインが主流で、中国人好みの鋲をふんだんに散りばめたデザインがあまり売られていない、とは前出のMCMを愛用する中国人女性の談。
このMCMの高価格帯も見た目のメンツ重視の中国人にとってはいい購入動機となっているようだ。
意外なブランドの復活の地となった中国。MCMブームもかつての日本のバブルのようにならなければいいが……。
男女でMCMバックを持つ
<取材・文・撮影/我妻伊都(TwitterID:
@Ito_wagatsuma>