製品に値札がないMCM韓国仁川国際空港店
中国で若者中心に人気を集めている要因は、日本から10年ほど遅れて到来している韓流ブームにある。韓国の人気女優や芸能人、アーティストなどがMCMブランドを持っている映像がよく流れており、中国でのブームの火付け役になった。
余談になるが、中国での韓流ブームが、かつての日本での韓流ブームと少し異なるのは、K-POPやドラマ、韓国料理の他に整形が含まれている点だ。若い小金持ちな女性が、韓流ブームにどっぷり浸かる理由の1つは、韓国整形へ憧れを持つ人も少なくないことも挙げられそうだ。
MCMは、“世界のMCM”として積極的にアピールしているが、どのくらいの店舗数があるのか公式サイトで調べてみると、35か国300店舗以上と紹介されている。ソウル、ミュンヘン、北京、香港、ニューヨーク、チューリッヒなどに旗艦店があるそうだ。アメリカに151店舗、中国に37店舗(香港含まず)、発祥国ドイツには32店舗、そして、韓国は24店舗となっている。旧ブランド時代にブームを迎え去っていった日本は3店舗とバブル後のあまりよくないイメージを引きずっているのかもしれない。
これらを見る限り世界的に売られていると言っても差し支えはないだろう。
しかし、2005年韓国ブランド化してしばらくは苦戦した時代があったようで、2000年後半までは、店舗の大半が韓国と中国に集中しており、とても”世界”とは言い難い状況だった。
MCMを躍進させたのは、その後の中国でのブーム到来と中国人の海外進出、旅行者急増がMCM世界進出を後押ししたのも一因だろう。