通信途絶の天文衛星「ひとみ」、依然として厳しい状況。しかし微かな希望は残る

「ひとみ」から発生した物体にはかなり大きい物も?

 JSpOCが発表した「ひとみ」から発生したとされる5つの物体については、JAXAも独自に、レーダーや望遠鏡を使い、2つの物体を追跡している。この2つのうち、どちらかひとつは「ひとみ」の本体で、もうひとつがJSpOCの検知した「ひとみ」由来の物体であると考えられている。どちらが本体、あるいは分離した物体なのかは今の段階ではわからないものの、今後それぞれの軌道の動きから、絞り込めるだろうとしている。 ⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=89462  この説明会後の4月2日0時35分、JSpOCは「ひとみ」から発生したと思われる物体が10個になったと発表した。ただ、これは「もともと10個分離していたが、これまでレーダーの性能などの関係で見えなかっただけ」とも考えられるし、「『ひとみ』の破壊がさらに進んだ」とも考えられる。可能性としては前者のほうがずっと高い。  また、当初5個が分離したと発表された際に、「ひとみ」本体だとされていたものが、実は「ひとみ」から発生した物体であったこともわかったという。こちらも詳細は不明ではあるものの、その物体が1週間近くも「ひとみ」本体と見なされていたということは、それだけ大きなもの(正確にはレーダーの反射率が高いもの)であったこと、そしてそれだけ大きなのものが「ひとみ」から発生した可能性を示している。  こうした物体の大きさや動きについては、時間をかけて繰り返し観測を続けることでわかってくることが多い。JSpOCはもちろん、JAXAも観測を行うはずであり、詳しいことは続報を待ちたい。
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今後、通信回復の可能性は!?
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