批判が集まる舛添都知事の都市外交――石原、猪瀬、両前任者との比較で考える

舛添都知事

保育所より韓国人学校を優先?

 舛添要一都知事が批判にさらされている。  東京都は3月16日、韓国人学校増設のため、新宿区矢来町にある都有地を韓国政府に貸し出す方針を打ち出した。都によると舛添知事が平成26年7月に韓国ソウル市を訪問した際、朴槿恵大統領から直接の要請を受けたのがきっかけだという。当該土地は6000㎡程度あり、1㎡あたりの地価を60~70万円と想定すると、まともに購入すれば40億円前後となる。  この土地について新宿区は、都に対して保育所設置のために貸し出しの要請を行ったとのことだが、舛添知事はこれを無視したことになる。  この問題について、新聞報道やスポーツ紙、文春や新潮などの週刊誌までほぼすべての媒体で批判記事が一通り出そろったが、これらで取り上げられていない観点から「舛添都政」を考察したい。

都知事による都市外交の必要性

 ところで、本来の外交とは国家と国家の交渉関係であり、中央政府が行うべきである。しかしながら東京都のような世界規模の都市に限っては、都市外交は必要と筆者は考える。  グローバル競争社会の中で国境を越えた都市間競争に打ち勝つためには、世界中のヒト、モノ、カネが集まるような魅力的な都市にしなければならない。生活環境が良いか、文化的な街か、治安がよいか、ビジネスがしやすいか、投資しやすいかなど、都市としての総合力が問われることとなる。  東京は、各種指標でニューヨークやロンドンなど世界の主要都市と肩を並べてはいるが、北京やシンガポールなどアジアの新興都市から激しく追い上げられている。  例えば、知事のトップセールスで、水道や下水道、交通システムなど東京都が誇る世界最先端のインフラシステムの輸出で外貨を獲得し、一方で海外の先進事例を参考に東京都の都市機能を高めることで企業誘致や海外からの投資につなげるなど、都市外交は都民にとっても有益である。
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石原、猪瀬、両知事の都市外交は東京に利益をもらたした
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