トランプ候補の英語は「小学校6年生以下」。そこに隠された戦略

文の長さや音節数ではトランプは「小4以下」!?

 過去の大統領のスピーチを同様に分析すると、1861年に就任したエイブラハム・リンカーン第16代大統領は11年生レベルの英語、01年に就任したジョージ・W・ブッシュ第43代大統領は5年生レベルの英語だった。ブッシュ大統領は目立ってレベルが低いものの、今回の大統領候補は、過去のほとんどの大統領よりも低レベルの英語を使っているという。  特にトランプ氏は5人のうちで最もレベルが低い。マサチューセッツ州で発行されている有力地方紙のボストン・グローブ紙が行った分析では、文の長さと一つの単語における音節の数で英語レベルを診断した結果、トランプ氏がスピーチで使う英語は他の候補者より2学年下の4年生レベルだった。  ボキャブラリー(語彙)に限定した分析では、リンカーン大統領、ロナルド・レーガン大統領、ビル・クリントン大統領、ジョージ・W・ブッシュ大統領、バラク・オバマ大統領のスピーチは少なくとも8年生レベル以上との結果が出ているが、今回の大統領候補者の場合はトランプ氏が最も低く7年生レベル、サンダース氏が最も高く10年生レベル。  文法に限定した分析では、リンカーン大統領が「人民の、人民による、人民のための政治」の名言を残したかの有名なゲティスバーグ演説が過去最高にレベルが高く10年生レベル。今回の大統領候補者はトランプ氏がやはり最も低く6年生よりやや低いレベル、他候補は6~7年生レベルと出た。
次のページ 
実際のトランプ候補のスピーチは?
1
2
3
4