無料スマホ学習サービス「アオイゼミ」躍進。新しい勉強のスタイルとは

教材もシステムもすべて自前である理由

 さらに、生徒の成績アップのために学習システムを始めとする環境づくりにもこだわりを持っているという。 「動画配信システムや教材などは、全て自前で作っています。外注はしていません。スマホ学習はまだ模索が必要な分野なので、軌道修正が欠かせません。素早く修正していくためには、ワンストップで行うことが一番いいと考えました。講師とエンジニアがお互いに話し合ってシステムを改善することもしばしば。こんなことができるのも、ワンストップの強みではないでしょうか」  また、難関高校受験用の「特進クラス」として月額2万7000円と既存の塾並の月謝並のクラス「アオイゼミ サクラス」を開設しているが、こちらも製本されたテキストや自習用学習参考書の配布や専属チューターによる学習外サポートなどを設置し、「安さが売りのオンライン塾」でありながらも会員数が増加しているという。  こうしたスマホ学習サービスは現在注目を集め、『スタディサプリ』(リクルート)や『Try IT』(家庭教師のトライ)といった大手企業も参入している。こうした大手による競合他社についてはどのように考えているのか。 「スマホ学習は、今までの塾と違って圧倒的に安いので、科目によって使い分けることができます。例えば、英語はアオイゼミの○○先生に教えてもらって、数学は他サービスの△△先生に教えてもらうということも可能です。だから、お互いに共存していく流れになるでしょうね。だからあまり競合他社は気にしてないです」(石井氏)  会員数20万人を突破したアオイゼミだが、まだまだ改善しなければならない課題や、挑戦したいこともあるという石井氏。  経済格差の拡大で、教育の機会さえも格差が生まれている現代の日本。アオイゼミのような試みは、そうした格差を埋める力になる可能性を秘めているのかもしれない。<取材・文/布施貴広(OfficeTi)>
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