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年間20万円以上――。文部科学省が2014年に発表した、公立中学校に通う子供がいる世帯の塾費用の年間平均だ。塾によっては色々な講習費用を含めると年間50万円以上かかることもザラ。しかし近年注目を集めている、アプリを使った「スマホ学習サービス」は、月1000円程度で有名講師の授業が受けられると、業界に新風を巻き起こしている。
その「スマホ学習サービス」の一角として、注目を集めている企業が「オンライン学習塾 アオイゼミ」を展開する株式会社葵だ。
「スマホ学習サービス」として、会員数も20万人を超えるなど生徒やその親からの注目を集めているだけではない。
2013年9月にはKDDI株式会社が行うベンチャー支援プログラム「KDDI∞Labo」に採択されたほか、2013年12月日本ベンチャーキャピタル株式会社などから総額4000万円の資金調達、2014年にはジャフコから1億2000万円の第三者割当増資を実施、最近では2015年11月にKDDI Open Innovation Fund、マイナビ、電通デジタル・ホールディングス、日本政策金融公庫らから総額2.8億円の資金調達を果たすなど、投資家からも注目を集めているのだ。
塾長の石井貴基氏
株式会社葵の代表取締役であり塾長の石井貴基氏がオンライン学習塾を起業したきっかけ。それは前職時代にその目で見た「親の経済格差による児童の教育格差」だったという。
「私は前職でソニー生命の営業をしていました。その時担当していたお客様は、年収120万のシングルマザーから年収2000万のドクター世帯など様々ありました。お客様に合った生命保険を提案する上で家計のコンサルティングも行ったのですが、その中で疑問に感じたのが学習塾の選択肢の少なさです。衣・食・住ならば安いものから高いものまで色々な選択肢があったのですが、いくら調べても安い塾はなかったんです。この業界は他の業界と比べてIT化の恩恵を全く受けてないんだなと考えたのがきっかけでした」
実体験の中から現在のオンライン学習塾に行きついた石井氏。なんと「無料受講」としてライブ配信される授業は無料で公開している。
これは、無料配信することで勉強に対するハードルを下げ、“機会均等”のサービスを届けるのが狙いだという。