前述した通り、悪意を持ったアプリは、仕込まれたことを感知させない仕組みを持っている。そのうえ、仕込んだ人物が設定したパスワードを記入しないとアンインストールすらできないケースがほとんど。導入されてしまったら、本体を初期化するか機種変更する以外に現実的な対応ができないのが現状と言えよう。
こういった盗聴アプリから身を守るには、スマホを肌身離さず持ち歩くことはもちろん、こまめにロックして他人には操作させない環境を作ることが大切だ。また、セキュリティツールを使ってインストールを防いだり、異常な状態を検知したりすることも重要となる。
もし、異変を察知した場合や盗聴被害にあった場合は、必要なデータのバックアップを取って工場出荷状態に初期化することで被害の拡大を防ぐことができる。
盗聴アプリは、自動的にデータを収集してサーバなどにアップするといった性質上、仕込まれてしまった場合、通信データ量が飛躍的に大きくなることが考えられる。スマホの設定画面やキャリアの管理ページなどで毎月どれくらいのデータ通信を行っているかを把握しておけば、データ通信量から異変を察知することができるので、自己防衛の意味を含めて、一度チェックしてみてはいかがだろうか?<文・写真/古作光徳>
【古作光徳】
パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。