ASKA氏が被害を訴えたと言われる「Flexispy.A」「SpyPhone」とは?
2014年、覚せい剤取締法違反で逮捕されたASKA氏が書いたと噂されるブログでも、本人が盗聴被害に遭っていたと主張。その内容は、自身の携帯電話に「Flexispy.A」、「SpyPhone」と呼ばれるモバイルマルウェアを仕掛けられ、通話の内容が漏れたというものだ。
これらは、実在するプログラムで、通話やメールの内容を自動的にサーバへ送信するといった脅威を持つ。そして、どちらも端末の所有者はインストールされていることすら分からず、さらに気が付いたとしても仕込んだ人物が設定したパスワードを入力しないとアンインストールできないため、とても厄介な代物だ。また、後者の「SpyPhone」は、端末を切っておいてもマイク機能が利用できるためバッテリーを取り外すしか、盗聴を防止する手段がない。
しかし、だからといってASKA氏のブログで主張されていたように、このアプリの被害に遭っていたかは疑問が残る。なぜなら、この2つのアプリは海外でシェアを持っていた「Symbian OS」で動作するものなのだ。残念ながら、現在国内で普及しているiPhone やAndroid搭載のスマートフォンで感染することはない。
iPhoneやAndroidをターゲットにした悪徳アプリも続々登場している
現在、スマートフォンは、iOSを搭載したiPhoneとAndroid搭載の端末が圧倒的多数を占めている。OSが普及するということは、それだけ悪意を持ったユーザーからの標的になってしまうことになる。
しかも、これらのOSはストアからアプリをダウンロードする仕組みを持っているため、簡単に仕込むことができてしまう。他のアプリに偽装したり、忍ばせたりする手段で、持ち主が知らない間に導入されてしまう恐れもある。
ストアで入手可能なアプリでも「SPYERA」といった類のものを導入すれば、単純に通話やメールの内容を盗み見るだけでなく、GPSを使って位置情報を取得できるほか、カメラ機能を使って周辺の画像や映像を取得することが可能。
さらに「自動応答(無料版)」と言ったアプリを仕込んだ場合、その端末に電話を掛けると所有者の意思に関係なく自動的に応答し、会話や周囲の音声が聴かれてしまう恐れがあるのだ。
ここでは、2つのアプリを紹介したが、この手の盗聴&盗撮アプリは、勝手サイトのみならず、ストアにも多く存在する。
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AndroidやiPhoneなどの通話やメールの内容、写真、周囲の盗聴など様々なスパイ活動が行えるアプリ「SPYERA」。スマホ側から検知できず、アンインストールも行えない厄介な存在と言える。
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音声通話の着信を勝手に応答してしまう「自動応答(無料版)」。所有者が気付かないうちに応答してしまうため、簡易的な盗聴器として利用できてしまう。