――日本におけるチカーノ文化の受容とこれからについてお話を聞かせください。
宮田:日本では一部マニアの間ではチカーノ音楽が知られていましたが、一般的にも知られるようになったのはやはりローライダーの流行だと思います。チカーノ文化の、白人でも黒人でもないという対抗文化的要素が、一部の若い日本人の自己表現のクリエイティヴィティに合致したのだと思います。
特に、地方の若者の寄る辺なさになじんだ面もあり、私も郊外出身で暴走族文化や学生運動を見て育ってきたので、そこからチカーノ文化に共感していったということもあり、理解できます。チカーノ文化は、これからもっと広がっていくのではないかとポジティブに考えています。
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『チカーノ・ソウル ―アメリカ文化に秘められたもうひとつの音楽史』は「
Barrio Gold Records」「
サウザンブックス」で発売中。電子書籍版もあります。書店での発売は2月21日の予定。
<文・写真/寺本衛(編集者)>