総選挙イヤーを迎えた今だからこそ振り返りたい、2020年に安倍・菅政権が成し遂げた10大成果

「安倍帝国」崩壊の序章

5位 安倍首相の熱意で知られざる検察庁の仕事ぶりが国民の関心を集める  Twitter Japan が発表した「#Twitterトレンド大賞」の新聞広告では華麗にスルーされつつも、堂々の第2位となったのが「#検察庁法改正案に抗議します」でした。安倍首相や自民党議員が逮捕から逃れるためと邪推されながらも、安倍首相が愚直に推進した検察庁法改正案。残念ながら成立しませんでしたが、検察庁の仕事ぶりが注目されたことは成果でした。安倍首相はこれまでも、内閣法制局や財務省理財局、国家戦略特区諮問会議など、知られざる行政機関の広報に努めてきました。 4位 安倍前首相の親密支持者たちがトランプ大統領の再選擁護に奮闘す  不正選挙によって陥れられたと信じる安倍前首相の盟友・トランプ大統領を擁護すべく、安倍前首相の熱烈支持者が日本で立ち上がったことは、日本の保守勢力にとって真の主人が誰であるか、分かりやすく示された一件でした。作家の百田尚樹氏や小川榮太郎氏ら、安倍前首相と親密な関係をもつ有力な支持者たちは、トランプ大統領の不正選挙との主張を日本語で繰り返し発信し、大統領の勝利に向けて激しく援護射撃しています。「掲げよ星条旗、皇国の興廃この一戦にあり!」の気概です。 3位 安倍首相から全国民に特別なギフトが下賜される  コロナ禍で苦しむ日本国民に対し、安倍首相から特別なギフト(布マスク2枚)がもれなく届きました。意外なギフトに驚いた多くの人々が、賜った布マスクを「アベノマスク」と呼び、流行語大賞で入賞したほどでした。一方、安倍首相にとって誤算だったのは、ほとんどの人々があまりに畏れ多いと思ったからなのか、恩賜の布マスクを使わなかったことでしょう。他にも、安倍首相は国民を慰めようと、自宅で犬を抱いてくつろぐ様子を動画配信し、ネットユーザーの間で話題になりました。

年の瀬の衝撃。虚偽答弁118回

2位 菅官房長官が側近逮捕・辞任の大逆境から首相に昇り詰める  河井克行元法務大臣と妻の河井案里参議院議員の公職選挙法違反容疑での逮捕菅原一秀経済産業大臣のカニメロン贈答疑惑での辞任と、側近が相次いで失脚する大逆境でしたが、菅氏は官房長官から首相に就任しました。その原動力は二階派との同盟。2月には82歳の二階幹事長。百歳現役を先取りし、GoToキャンペーン強行で支持率が下がっても、側近の吉川貴盛元農林水産大臣が収賄疑惑の渦中に体調不良で議員辞職しても、意気軒高。彼らに皆さんの命は預けられています。 1位 安倍首相が無念の辞任も、前人未到の3大成果を達成  8月28日、安倍首相は体調不良を理由に辞任を表明しましたが、過去最長の7年半の在任期間で様々な成果をあげたことは、歴史に残る偉業でしょう。多くの人々が拍手で辞任表明に応えたのは、その表れでしょう。安倍前首相には、故郷・山口県の料理を出す都内の某居酒屋でゆっくりご静養いただきたいと願っています。  とりわけ、安倍首相は3つの偉大な成果を残しました。  第一の成果は、戦後のあらゆる首相を上回る力と熱意を持っていたにもかかわらず、憲法改正に着手できなかったことです。  第二の成果は、従来の経済政策を同時かつ空前の規模で実施したにもかかわらず、目標の経済成長率を達成できず、格差を拡大したことです。  第三の成果は、これまでの政治改革・行政改革の成果を自らや側近のためにフル活用し、政治・行政システムの重大な欠陥を明らかにしたことです。安倍首相の3大成果については、拙稿【安倍政権の「3大成果」と、そのレガシーをどう活かしていくべきか?】で詳しく解説していますので、ご覧ください。
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2021年、有権者がやるべきことは
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